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保健室でナプキン手渡し→女子トイレに設置で使用は160倍に。学校での生理用品配布の「その後」

すべての都立学校で9月から、生理用品の配布がスタートしました。その後、利用状況はどのようなものなのか。取材しました。

《ご入用の方、ご自由にお持ちください》

そんな貼り紙があるボックスに入っているのは、生理用ナプキンです。

東京都立学校250校で9月から、生理用品の配布がスタートしました。

公費で生理用ナプキンを購入し、女子トイレに配置しています。

実際に無料配布のナプキンは使われているのか。ニーズはあったのか。

東京都教育委員会と東京都立新宿高等学校を取材しました。

Sumireko Tomita / BuzzFeed

新宿高校の女子トイレに置かれた生理用ナプキン

東京都では、すべての都立の高校や中高一貫校、特別支援学校などで、生理用ナプキン配置を始めてから、約3ヶ月が経過しました。

都教委の担当者は、「ナプキンの使用量は徐々に増加していて、学校内での生理用品配置が定着していっています」と話します。

学校によって差はあるものの、少ない学校で月70枚、多い学校で月300枚ほどが使われているといいます。

保健室で手渡し→女子トイレに配置で使用は160倍に

東京都では、9月の250校での配布開始に先立ち、7校で5月から先行して配置を始めました。補給方法や配置場所などを検討しました。

新宿高校も、そのうちの1校。5月に配置をはじめ、半年ほどが過ぎました。

学校に利用状況を聞くと、高いニーズがあったことが分かりました。

Sumireko Tomita / BuzzFeed

同校によると、以前は生理用品が必要になった生徒は保健室に行き、必要な旨を伝えて受け取るスタイルでした。

実際に生徒が使った生理用品は、年間で10枚ほど。

しかし、5月に女子トイレでの配布を初めてからの半年間で、800枚が使われたといいます。

利用は単純計算で、160倍にも増えたことになります。

藪田憲正・統括校長は、こう語ります。

「1年で10枚が半年で800枚というのは、明らかに全然違うレベルで利用されています。自分が必要な時に取りに来れる体制にした時に、利用が増えたということは、ニーズがあったのだと感じました」

「最初の頃は、使用はそんなに多くはなかったんですが、徐々に生徒の中でも『あのトイレに行けば生理用品がある』ということが定着していきました」

現在は、昇降口近くと保健室前のトイレの2箇所に生理用品入りのボックスを設置。

使用する人も増えてきていて、これまでは週1回の補充で足りていたところが、今は2日に1回補充しないと、すぐ空になるといいます。近々、ボックスの数も2つに増やそうと計画しているということです。

学校や都教委は生徒にアンケートなどは取っていないため、どれだけの生徒が経済的な理由でナプキンなどを買えない状態にあるかはわかっていません。

しかし、藪田校長は「貧困によるものなのか、便利だからということで使ってくれているのか調査したわけではないのですが、少なからずそういうニーズはあったのだと感じました」と話しています。

Sumireko Tomita / BuzzFeed

新宿高校の藪田憲正校長

生理用品もトイレットペーパーと同じように

都立学校での生理用品設置で心がけられたのは、「トイレットペーパーと同じように」ということでした。

生理がある生徒にとって、生理用品は必需品です。だからこそ、全てのトイレに当たり前に必需品として置かれているトイレットペーパーと同様、「自然に」配置したといいます。

飲食店のトイレで生理用品が置かれている様子も、イメージの参考になったと藪田校長は話します。

「最近は、飲食店の男女兼用のトイレなどで、さりげなく生理用品が置いてあることも。そのイメージが私の頭の中にあったので、世の中にそのような形で置かれるようになっているのであれば、同じように置いておけばいいんじゃないかと考えました」

学校の女子トイレでも、手洗いのシンクの近くにトイレットペーパーの予備分と一緒に置いていくことで、自然に取っていけるようにしました。

Sumireko Tomita / BuzzFeed

予備のトイレットペーパーの隣に置かれた生理用ナプキン

新宿高校では現在は、養護教諭などが生理用品を補充していますが、来年度からはトイレ清掃員がトイレットペーパー補充時に生理用品も補充するよう変更する予定です。

「学校として年間10個で済んでいると思っていたものが、お話を頂いて配置してみると、これだけの数が出ていくということはニーズがあったということです」

「学校の教育の現場で、いろんなニーズが生徒にあると思います。それを生理用品に限らず、しっかりとうまく拾い上げていくことで、生活しやすい、本来やるべきことに集中できる学校でありたいなと改めて考えました」

緊急支援から、継続的な配布へ。各地の教育委員会も

経済的な理由などで生理用品を購入することが難しい「生理の貧困」の問題に対し、各地で支援の動きも広がっています。

内閣府の男女共同参画局の調べによると、2021年7月20日時点で、生理用品の配布などを実施・実施を検討している地方公共団体の数は581団体にも上りました。

5月の調査では255団体だったので、倍以上に増えています。

しかし、それらの生理用品の調達元は、入れ替え時期となった防災備蓄の配布や、企業や住民からの寄付など、緊急支援・一時的なものが大半でした。

一方で、継続的な支援の必要性に応じ、東京都のように公費での購入を始めた地域もあります。

神奈川県では10月から、全ての県立学校169校で、公費で購入した生理用品の配布を開始しました。

宮崎県でも、12月上旬から県立学校での生理用品配布が始まります。

ほかにも民間企業との連携なども含め、継続的な生理用品の配布が、少しずつ広がっています。