3月11日で東日本大震災から8年。 仙台で津波を経験した女性の漫画がTwitterで発信し、話題を呼んでいます。
地震が起こったのは仕事中。知人の家に向かう途中で津波が襲い、必死に助けを求めました。
雪も降った中で津波の水が引くのを待ち4時間、夜になると町は真っ暗で、星がきれいだったそうです
「これだけ怖い思いをしても、危機感は薄くなっていきます」
「3月11日に色んな人に体験を伝えたい」という思い
漫画を発信した秋田出身の女性、ふるえるとり(@torikaworks) さん(32)は、震災発生当時、仙台市の印刷会社でデザインの仕事をしていました。
BuzzFeed Newsの取材に、漫画を描きTwitterで発信した理由をこう話します。
「震災の特集番組には興味がないけれど、SNSに流れてくる漫画なら読もうかなと思ってくれる方がきっといるんじゃないかと思いました」
「被災した自分ですら防災意識が薄れています。ただの体験を綴っただけの漫画ですが、一人でも多くの人が防災について意識を向けてくれたら」
いつ、どこで起きてもおかしくない地震や津波。自身の経験を共有することで、防災への意識を呼びかけようと思ったのだそうです。
現在は東京で育児をしながら、イラストや育児漫画を描いているという、ふるえるとりさん。漫画は3月10日、寝る前に一気に描き上げたといいます。
「3月11日に色んな人に体験を伝えたいという思いが湧きあがりました。住む場所は変わりましたが、もちろん今も復興を願う想いはあります」
「東北だけじゃなく、災害はどこでも起こり得るということを意識し、どこに住んでいても防災意識を高めて暮らす必要があると思っています」
1年にわたり、水が押し寄せてくる津波の夢も
震災後は「生きている。ありがたい。がんばろう」という思いで気丈に過ごしましたが、1年ほどは津波を夢に見たり、今でも夜の海や水がある遊園地のアトラクションには恐怖を感じる、心的外傷後ストレス障害(PTSD)のような症状も見られました。
「いつか震災について描きたいと思っていましたが、フォロワーさんも増えてきた今こそ、描くべきだと思いました」と話します。