新型コロナウイルスの感染が各国で広がる中、イギリスでは人々が窓に「虹」の絵を掲げる動きが広まっています。
民家の窓、学校、介護施設……。様々な場所の窓が、水彩、クレヨンなどで描かれたカラフルな虹で飾られました。
窓に貼られた虹の絵には「家にいよう」「NHSにありがとう」との言葉も添えられています。
虹を飾る運動は、終息など先行きの見えない日々を虹で照らし、またイギリスの公的医療サービスのNHS(ナショナル・ヘルス・サービス)で働く医療従事者や、キー・ワーカーズと呼ばれる、公共サービスで働く人々に対し、感謝の思いを示すために実施されています。
新型コロナウイルス対策のための外出禁止令の中で、人々が家にいながらも、医療従事者らに感謝の思いを示すために、虹を描きました。
介護施設の窓にも…
病院近くの学校の窓にも…
休業中のパブの門も…「NHSと全ての公共サービスで働く人々にありがとう」
首相官邸「ダウニング街10番地」にも…!
新型コロナウイルスに感染し、約2週間療養、4月27日から公務に復帰した、ジョンソン首相の官邸にも、虹の絵が飾られました。
「今は暗い日々かもしれないけど、きっと虹が」
BuzzFeed Newsは、自宅の窓に虹を掲げたローラ・ペレグリノさんに話を聞きました。
ペレグリノさんは、7色の色紙をハート形に切って貼り、窓に虹を作りました。Twitterに「近所の通りで窓に虹がない唯一の家になってしまっていたけど、NHSや公共サービスで働く人々に感謝を表すため、1日使って作りました」と写真を投稿しました。
ペレグリノさんは、虹を掲げる運動に参加した理由をこう話します。
「第一線で働く、医師、看護師だけでなく、介護士や清掃員の方々は、リスクが高まる中で人々のために働いてくださっています。そんな彼らにも家族がいて、他の人たちと同じように家にいて感染予防を優先したいのは山々だと思います」
「それでも体力的、精神的にも辛い、長いシフトで働いてくださっています。そんな方々に感謝を伝えたくて、窓に虹を掲げる運動に参加しました。第一線で働く一人一人に感謝を伝えることはできなくても、私やイギリスの人々は皆、心から感謝していると伝えられればと思います」
ペレグリノさんは虹を掲げる運動の他に、医療従事者に決まった時間に一斉に拍手を送る運動にも参加したそうです。
「3月は毎週木曜夜8時に、NHSで働く人々に向けて拍手をしました。そして何より、感染を広げないために外出せず家にいることで、医療従事者に感謝を表しました」
NHSで働く人々に感謝を表すためのシンボルとして広がった「虹」だが、ペレグリノさんは、虹を掲げることについてこうも語りました。
「明るい色で構成される虹は、希望の象徴でもあります。雨があがり、太陽が顔を出した時に虹はでます。今は雨降りの暗い日々かもしれないけど、私たちにもきっと虹が訪れると信じています」
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