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「差別を容認しない社会を」森氏の女性蔑視発言めぐり、再発防止求める15万筆の署名を提出

東京五輪組織委の森喜朗元会長が女性蔑視の発言をした問題で、有志メンバーが立ち上げたオンライン署名に15万筆が集まりました。署名を提出したメンバーが会見を開きました。

東京オリンピック・パラリンピック組織委員会長だった森喜朗元首相(83)が2月3日に女性蔑視の発言をした問題で、再発防止などを求めるオンライン署名に15万筆が集まった。

森氏は日本オリンピック委員会(JOC)の臨時評議員会で「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」などと発言し批判が殺到。12日に会長職の辞任を表明した。

署名は2月16日、東京五輪・パラリンピック組織委員会に提出された。

署名を募った有志のグループは署名提出後に会見を開き、「差別を容認せず、性別に関わらず能力を発揮できる社会を作っていく必要がある」と話した。

署名を主催したのは「森会長の処遇の検討を求める有志」の11人。

U30世代に向けて、政治や社会問題に関する情報を発信する一般社団法人「NO YOUTH NO JAPAN」の代表や、性教育や避妊について考える「#なんでないのプロジェクト」の代表らが立ち上げた。

有志一同は16日午前、集まった約15万7千筆の署名と、組織委員会への「提案書」と「公開質問状」を担当者に手渡しで提出。

組織委員会の担当者と30分ほど面会し、署名や提案書の内容を説明した。

署名の宛先は、日本政府(菅義偉首相、橋本聖子・五輪相)、東京都(小池百合子知事)、日本オリンピック委員会(山下泰裕会長)、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(森喜朗元会長)。

署名では、委員会などに対し「1・森会長の処遇の検討」「2・再発防止策の実施」「3・女性理事の割合4割達成」の3点を求めた。

森氏は辞意を表明したため、委員会に提出された提案書では、1点目に代わり「透明性のある組織運営」を求めた。

差別発言に終止符を。「このような差別に怒るのは、私たちの世代で最後に」

文部科学省で開かれた会見で、署名を提出し担当者と面会した「NO YOUTH NO JAPAN」代表の能條桃子さんは、こう語った。

「森氏の発言は森氏個人の問題だけでなく、スポーツ界や日本社会全体でジェンダー平等が実現されていないという背景がありました」

「差別発言がこれまで許されてきたからこそ、今までそれが繰り返されてきました。このようなことで怒るのは、私たちの世代で最後にしたいと思い活動しています」

署名と共に提出された提案書の中では再発防止に向け、「あらゆるハラスメント・差別に対する指針案の策定」や「研修の実施」「独立した第三者機関によるセーフスペースの設置」などの具体案も提案されている。

「実態伴った男女平等、透明性ある後任選出を」

森氏の後任会長に関しては、一時、森氏から直接要請されたという日本サッカー協会の川淵三郎元会長が浮上したが、川淵氏は辞退。人事に透明性がないとの批判があがった。

能條さんは「誰がどうやって、どんな基準で選ぶというのは開示が必要です。閉じられれば閉じられるほど、疑心暗鬼になる。透明性があれば、組織委員会が変わっていっているという実感が持てる」と指摘した。

NHKによると、8人のメンバーによる東京五輪・パラリンピック組織委員会の「候補者検討委員会」は、16日の午後、都内で初会合を開く

また、組織委員会がジェンダー平等のプロジェクトチームを立ち上げると発表したことについては「プロジェクトチームが立ち上がったものの、(面会をした担当者からは)具体的な話は詰められていないとお話がありました」とし、こう述べた。

「ぜひ提案書の内容などが少しでも反映されると良いなと思います。名ばかりの男女平等実現ではなく、しっかりと実態が伴ったものにする必要があると思います。期待していきたいと思います」

「再発防止策をしっかり取ってほしい。五輪のボランティアやスタッフの方々への研修は既に実施されているということでしたが、組織のトップや上層部につく人たちに対しても、今の常識にアップデートする機会を作っていく必要があると思います」

子どもたちが性別関係なく能力発揮し、差別がない社会で生きるために

署名の発起人の一人で、性教育や避妊について考える「#なんでないのプロジェクト」代表の福田和子さんは、会見でこう語った。

「今回の件は、森さん個人だけでなく、関係する周りの人全体で理解して、再発しないように動いていくことが大切です。そのためには再発防止のための具体策を講じていく必要があります」

「次の世代を生きる子どもたちが、性別などに関わらず、自分の能力が発揮でき、差別を容認しない社会で生きられるようにしていきたいです」

署名を立ち上げた有志一同は、署名や提案書と共に、委員会への公開質問状を手渡した。

質問状は、「女性理事の割合を向上するための具体的な施策の内容」や「あらゆる差別的言動に対処するためのゼロトレランスポリシーの策定予定の有無」など8つの質問からなる。

1週間後の2月23日を期限に、委員会からの回答を求めている。


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(サムネイル:署名立ち上げ有志グループ提供)