サントリーが、異世界転生のアニメを公開…した…??
サントリーがSNS上で公開した、勇者が主人公の短編アニメ。
Twitterでは、「どゆことw」「なんだこれww」「控えめに言って最高」との声が上がっています。
なぜサントリーが異世界もののアニメをつくったのか。担当者に話を聞きました。
異世界に転生…?どんなアニメ…?
「あぁ…俺はついに生まれ変わるのか…透明で美しいペットボトルに…。んっ…。ん。えっ。え〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!」
1分40秒の動画は、ペットボトルのこんな声で始まります。
そう。主人公は、新しいペットボトルに「水平リサイクル」されようとしたけど、なにかの拍子に、人間の勇者に転生してしまった使用済みペットボトル。
「リサイクルを知らない世界」で、元ペットボトルの青年リサイ・クルペット氏が、分別しない敵ワケナイーと闘う物語です。
これはどういう…?サントリーさんに聞いてみた
なかなかおもしろい内容のアニメ…。しかし、気になることが多すぎるので、サントリーに話を聞きました。
アニメをつくった背景について、サントリー食品インターナショナル、戦略企画本部の佐藤慶一さんは、こう説明します。
「使用済みのペットボトルを新しいペットボトルに生まれ変わらせる『水平リサイクル』、そしてリサイクルには分別が大切ということを分かりやすく伝えたいと思い、アニメーションにしました」
「せっかくのアニメーションということで、たくさん工夫をしました。例えば、転生もののアニメというのはタイトルが長い作品が多いという特徴があり、タイトルや文字の雰囲気など、世界観を出したいと作り込んでいます」
勇者のリサイ・クルペット氏は、著名声優の小野賢章さんが担当。
敵・ワケナイーは左座翔丸さん、エコロジーな魔族・エコは田中ちえ美さんが声を務めました。
Twitter上では、その内容だけでなく、豪華な声優陣についても、賞賛の声があがっています。
《小野賢章さん使うあたりにサントリーの本気を感じる》
《しっかり転生ものパロディだし声優豪華だし、こういうの嫌いじゃない》
《今期で最も見てほしいアニメこれ》
佐藤さんはそのような反応に対し、「そういった反応はまさに嬉しいです」とし、こう語りました。
「たくさんの反応を頂いており、本気感は伝わっているのではないかなと思います」
「(勇者の声を)小野さんに依頼したのは、ストーリーだけでなく、耳から入ってくる声の情報も大切だと思ったからです。かっこいい勇者から、コミカルなキャラクターまで演じ分けていただきました。小野さんは声だけで人を惹きつける魅力を持っていらっしゃいます」
「個人的にも、ペットボトルの声のコミカルさと、かっこいい勇者の声のギャップはとても大好きです」
動画の中で、リサイ・クルペット氏は敵・ワケナイーに「そのペットボトル、なぜラベルをはずなさい??!」と問いかけます。
ワケナイーの答えは「メンドイー!!」。
そんなワケナイーに一撃をくらえながら、クルペット氏は「ラベルとキャップはその他プラ。ペットボトルはペットボトル!」「ペットボトルはごみじゃない!!資源だ!!」と叫びます。
現実社会にも、残念ながらワケナイーさんがいるのか。佐藤さんはこう説明します。
「日本ではしっかりとペットボトルを回収する仕組みも整っていますし、ご家庭でペットボトルを分別する習慣はついているのではないかと思います」
「人によってワケナイーさんがいるということではなく、野外にいる時などの環境によるのかと思います。野外にいる時は、なかなかできない状態であったり、ついついワケナイーになってしまう方もいらっしゃったりするようです」
気軽にできる「エコな取り組み」としてマイボトルの持ち歩きが習慣づく中、自動販売機などでペットボトル入り飲料を買った際には、きちんと分別してリサイクルに出すことが大切です。
アニメの「エンドロール」には、いたずら心を散りばめた、リサイクルをめぐるメッセージも込められました。
佐藤さんは、こう語ります。
「動画は世界観としては壮大に作っていますが、アニメという切り口で、みなさんにペットボトルリサイクルに興味を持っていただけるきっかけになればと思います」