6月23日、沖縄は「慰霊の日」を迎えた。74年前のこの日、沖縄戦での旧日本軍による組織的戦闘が終わったとされる。
太平洋戦争末期の沖縄戦では、日米両国で20万人以上が命を落とし、住民の4分の1が犠牲となったとされる。
この日、沖縄各地では、犠牲になった人々への祈りがささげられた。
琉球新報とYahoo!ニュースが2017年の「沖縄慰霊の日」に合わせて共同制作した動画「3分で知る沖縄戦」では、当時の貴重な映像や生存者の証言などを交えながら、苛烈を極めた地上戦の様子を解説している。
動画で説明されている、沖縄戦に関する「5つの数字」を紹介する。
1. 1945年3月、54万人の連合軍が沖縄に侵攻
2. 「鉄血勤皇隊」として動員された男子中学生の半数が戦死
3. 日本軍特攻機の3千人が戦死
4. 伊江島では、6日間で住民の半数が命を落とした
5. 住民の4分の1が犠牲になったとされる
玉城県知事「二度と起こしてはならないと、決意を新たに」
最後の激戦地となった沖縄県糸満市の平和祈念公園ではこの日、「沖縄全戦没者追悼式」が行われた。
玉城デニー沖縄県知事は平和宣言で、戦争を語り継ぎ、平和を築いていくことを誓った。
「あれから74年、忌まわしい記憶に口に心を閉ざした戦争体験者の重い口から、後世に伝えようと語り継がれる証言などに触れるたび、人間が人間でなくなる戦争は、二度と起こしてはならないと、決意を新たにするのです」
また「沖縄県には戦後74年が経過してもなお、日本の国土面積の約0.6%に約70.3%の米軍専用施設が集中しています」と基地問題について指摘。
2月に行われた、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設についての県民投票にも言及し「圧倒的多数の県民が辺野古埋め立てに反対している」と強調した。
また、安倍晋三首相はあいさつで次のように述べた。
「沖縄戦から74年。犠牲となった方々が送るはずであったそれぞれの未来に思いを致し、こうした尊い犠牲の上に今日、私たちが享受する平和と繁栄がある。そのことを改めて深くかみしめながら、静かにこうべを垂れたいと思います」
沖縄に米軍基地が集中していることなどにも言及し「基地負担の軽減に向けて一つ一つ確実に結果を出す」と話した。
安倍政権は辺野古埋め立てを推進する方針を進めてきたことなどから、あいさつの途中には埋め立て反対派の式典出席者らから、ヤジが飛ぶ場面も見受けられた。
琉球新報による沖縄全戦没者追悼式の映像
(サムネイル:琉球新報・Yahoo!ニュース)