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「奨学金」じゃなくて「奨学ナプキン」…? 1年分の生理用品を1千人に送る理由

生理用品「elis(エリス)」を展開する大王製紙が、「奨学ナプキン」として、生理用品の入手に困っている学生1千人を対象に、1年間、ナプキンを無償提供する企画を始めます。

生理用品「elis(エリス)」を展開する大王製紙が4月7日、生理用品の入手に困っている学生1千人を対象に、1年間、ナプキンを無償提供する企画を始めます。

「奨学ナプキン」と名付けられ、オンラインで奨学生を募集します。

奨学ナプキンの対象者は、生理用品の入手に困っている、生理がある全ての学生です。

小学校から中高、高専、専門学校、大学、その他の学校などに通う学生が応募できます。

奨学生を希望する学生は、特設サイトからフォームを送信して応募します。応募期間は4月7日から5月20日までです。

大王製紙の担当者はBuzzFeed Newsの取材に、「奨学ナプキン」という名前には「学生の憂鬱な生理期間の悩みをサポートし、学業に励んでもらうことを支援したいという思いを込めた」と語りました。

大王製紙は4月7日、多様性のある社会でひとりひとりの生理に寄り添うプロジェクト「meet my elis」を始動。

ナプキンの無償提供もこのプロジェクトの一環として行われます。

担当者はこう語ります。

「『meet my elis』プロジェクトでは、ひとりひとりの生理、そして多様な人々の生理に寄り添いたいと考えています。その中で、まずはこれからの未来を支える世代である学生を支援したいと考えました」

奨学ナプキンの募集開始に際し、Twitter上では「すごい…!」「困っている人に届くといいな」「大事な取り組み」などの声があがっています。

「生理が学校生活に不安を与えてしまっていたら…」

特設サイトでは、「奨学ナプキン」について、こう綴っています。

《ナプキンを十分に入手できないことで、生理という存在が、 あなたの学生生活に不安を与えてしまっていたら》

《そんな学生たちの生理期間を、できることからサポートしたいと考えました》

《この活動が、ためらうことなく前へとあなたがふみ出せる、小さなエールになりますように》

奨学ナプキンの奨学生は6月下旬に決定し、4ヶ月に1回、ナプキンが送られます。

ナプキンは、羽付きの多い昼用や特に多い夜用など、3つのセットから奨学生が選べる仕組みです。

奨学生に対しては、アンケートを通して、生理に関する悩みなどの意見を聞き、改善につなげていきます。

10・20代の12%が生理用品の入手に苦労

経済的な理由や家庭の環境などが原因で、必要な量の生理用品を入手することができない「生理の貧困」が社会問題となっています。

コロナ禍で経済的に困難な状況が置かれる人々が増えたこともあり、自治体が生理用品を無償配布したり、トイレに配置したりする学校も出てきています。

内閣府の男女共同参画局の調べによると、2021年7月20日時点で、生理用品の配布などを実施・実施を検討している地方公共団体の数は581団体にも上りました。

厚生労働省が2月、全国の18〜49歳の女性3000人にオンラインで行った「生理の貧困」に関する調査によると、回答者の8.1%が、コロナ禍で「生理用品の購入・入手に苦労したこと」が「よくある」「ときどきある」と答えていました。

年代別でみると、若い層でその割合は高くなり、10代(18・19歳)が12.9%、20代は12.7%でした。

「生理の貧困」状態に陥っている人の割合は、世帯年収が低い回答者で高く、収入なしで13.2%、100万円未満で16.8%、100〜300万円で11.6%でした。

生理用品の購入・入手に苦労したときの対処方法(複数回答)としては「生理用品を交換する頻度や回数を減らす(長時間利用する等)(50.0%)」や「トイレットペーパーやティッシュペーパー等で代用する(43.0%)」などが多くなりました。