2019年12月28日

    「見た目に関わらず、誰もが自分らしく」22人の写真に込められた思い

    アルビノやあざなど、病気などによって人とは異なる外見の特徴を持つ人たちの写真展が1月、東京で開かれます。

    「見た目に関わらず、誰もが自分らしい生き方を楽しめるように」

    そんな思いから、東京のギャラリーで1月に写真展が開かれる。

    展示される写真のモデル22人は、病気や障害によって人とは異なる外見の特徴を持つ人々だ。

    本田織恵

    生まれつき肌や体毛が白いアルビノの当事者

    見た目に影響する症状がある人たちが抱える問題について取り組むNPO法人マイフェイス・マイスタイルと、スタジオ ブルームルームが共催し、写真展を企画した。

    モデルとなったアルビノやあざの症状などを持つ当事者たちも、写真を通して「見た目問題」について伝えたい思いを表現している。

    冨樫東正

    赤アザ(スタージウェーバー症候群)の当事者

    「見た目問題」って?

    この写真展の開催には、「見た目問題」についてもっと広く知ってほしいという主催者の思いがある。

    では、主催者のNPOマイフェイス・マイスタイルや、モデルとなった当事者の人たちも取り組む「見た目問題」とは何なのだろうか。

    同NPOでは、「見た目問題」という言葉を、「見た目」の症状がある人が、差別や偏見のせいでぶつかってしまう問題だと説明する。

    もちろん「見た目に問題がある」ということではなく、「見た目を理由とする差別や偏見などによって生じる問題」自体を指す。

    例えば症状がある人が、学校でいじめられたり、バイトや仕事の面接で断られたり、または心無い言葉や差別的な言葉をかけられる、感染すると誤解される…など、実際に起きている問題は様々だ。

    本田織恵

    顔の骨が十分に発育しない「トリーチャーコリンズ症候群」の当事者

    「私の顔、私のスタイル」という意味の団体名で活動する「マイフェイス・マイスタイル」は、この見た目問題について理解を広げ、差別や偏見をなくしていくために活動を続けている。

    マイフェイス・マイスタイルは、2006年、外川浩子さんが設立した。実の弟である外川正行さんもチーフとして共に活動している。

    今回の写真展でカメラマンを務めた一人の冨樫東正さんは、同NPOの理事を務めている。

    自分の「無自覚」、社会の「無自覚」

    この写真展は「無自覚なボクが、いま言いたいこと」と題されている。

    その「無自覚」とは何を指すのか。外川正行さんに話を聞いた。

    写真展で伝えたい無自覚とは、2つあるという。1つは、外川さんの無自覚、もう1つは社会の無自覚だ。

    外川さんが自身の「無自覚」に気づいたのは、見た目問題についての講演をした後に、参加者から投げられた「見た目問題ってなんで問題なんですか?」という質問がきっかけだった。

    冨樫東正

    アルビノの当事者

    その質問を受けた時点でも、すでに見た目問題についての活動を長く続けてきていた外川さん。「見た目問題を知らない人に分かりやすく説明できていなかった」という「無自覚」だったという。

    外川さんは語る。

    「何か見た目問題の当事者たちを特別な存在としてアピールしていた。今回はそれを『壊した』企画です」

    「見た目問題は一部の人にしか理解できない問題ではなくて、誰でも理解できる問題なんだと伝えたいです」

    もう1つの無自覚は、社会が無自覚、無意識のうちに見た目に影響する症状を持つ当事者に向けている差別だ。

    「差別なんてしていない」そう思う人たちは、無自覚・無意識のうちに差別や偏見がある視線や言動を当事者に向けていないか。写真展はそう問いかける。

    「知ってほしい」「伝えたい」当事者の思い

    本田織恵

    今回の写真展で展示される写真は、モデルとなった当事者その人を真っ正面から撮った写真ではなく、モダンアートのような雰囲気の写真が多い。

    外川さんは「『当事者を晒し者にしている』という声もあがるかもしれません」と前置きした上で「しかし今回の撮影は、私たちNPOとカメラマン、モデルさんたちの共同作業で、モデルさんたちとも意見を交わしながら楽しく作り上げたものです」と説明する。

    モデルになった当事者自身、みな「見た目問題」について「知ってほしい」「伝えたい」という思いを持って撮影に臨んでいる。

    「見た目問題があるのに、ないものにはできない。ないものにしない。そういう思いで活動しています」(外川さん)

    「見た目問題について、もっと広く知ってもらい、皆で写真展を作り上げたい」。そのような思いから、クラウドファンディングも実施している。

    「傷が見えてるのも、見えてないのも自分」

    撮影にモデルとして参加した当事者の1人に話を聞いた。

    太ももあたりに大きなケロイドの手術痕がある白石さんだ。

    「着せ替え人形」のようなコンセプトで、持参した私服や衣装などを着替えながら、ロボットやプラモデルになりきったような動きで撮影を楽しんだという。

    白石さんの傷は、太ももが隠れる服を来ていれば日常生活では人に見られることはない。しかし夏に短パンや水着を履いたりすると見える。

    今回の衣装でも、傷が見えている写真もあれば見えていない写真もあるという。写真展では、どちらの写真も並べて展示される予定だ。

    本田織恵

    太ももに手術痕がある白石さん。この写真では傷はズボンで隠れている。

    これまで、太ももに大きな傷があることで、悩んだこともあったという白石さんはこう話す。

    「銭湯やプール、好きな人とのセックスでも、傷のことをどう伝えたらいいんだろうと悩みました。でも、服を着て傷が見えていないのも自分、見えているのも自分だと今では思えます」

    今回、白石さんには「ダブルマイノリティ」という立場から、もう1つ伝えたいことがあるという。

    白石さんは自身がゲイであると公表して今回の写真展に参加している。白石さんは「新宿二丁目でも、なかなか傷があったり、障がいを持っていたりする車椅子の方とかを見かけないんです」と話す。

    「ゲイだというとセクシュアリティだけ注目されがちですが、そうではなくゲイやLGBTQの人にも見た目問題を抱えている人や障がいを持った人もいて、多様性に溢れているということを伝えたいです」

    冨樫東正

    写真展の詳細は、以下の通り。

    写真展「無自覚なボクが、いま言いたいこと

    主催(共催):
    NPO法人マイフェイス・マイスタイル
    株式会社ブルームルーム

    日時:2020年1月14日(火)~1月26日(日)、午前11時~午後7時
    会場:ギャラリー「ルデコ」(東京都渋谷区渋谷3-16-3)

    イベント:
    1月14日(火)午後7時~9時 オープニングレセプション
    1月18日(土)午後4時~5時 ギャラリートーク
           午後7時~9時 スペシャルトーク(ゲスト:水野敬也さん)

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