毎日新聞が読者投稿のコーナーで優秀作品に選んだ川柳に批判が集まり、ウェブ版記事やツイートがその日のうちに削除された。
「台風も日本のせいと言いそな韓」という句で、Twitter上では「現在の日韓関係を鑑みて、本当にこれがおもしろいと思ったのか」「編集部はチェックしてOKを出したのか」といった意見が相次いだ。
なぜこの句を「秀逸」に選び、記事やツイートを削除したのか。毎日新聞社に取材した。
川柳が掲載されたのは、コピーライターの仲畑貴志氏が選句する川柳コーナー「仲畑流万能川柳」。毎日、朝刊に18句が掲載され、ウェブの記事も毎日更新されている。
同コーナーでは、時事問題を風刺的に詠んだ句も多い中、毎日新聞は、在日朝鮮・韓国人をめぐる状況やヘイトスピーチなどについても深く報じてきたため、読者からは落胆の声が上がった。
28日夜に「ご説明」の記事
記事の削除などについて同社は28日夜、「27日の記事でご説明」という記事を掲載した。
27日の仲畑流万能川柳の記事は削除しました。
毎日新聞社として、掲載に当たり「嫌韓」をあおる意図はありませんでしたが、「嫌韓をあおる」と受け止められた方がいらっしゃったという事実については、真摯に受け止めております。
この説明に対しては、Twitter上では読者から「説明になっていない」「掲載したことへの真摯な反省はない」などとの批判が相次いだ。
また、毎日新聞の記者も「謝罪として最悪の形」「説明が不十分」「一社員として納得できません」などとツイートしており、社内からも批判が出た。
毎日新聞広報の見解は
BuzzFeed Newsは、説明記事が掲載される半日前の28日昼、記事削除の判断理由や社としての川柳への見解について、以下の点を毎日新聞に質問した。
・読者からの批判を受けて27日夜、記事やツイートが削除されたのは事実か。その理由は。
・今後、紙面やWEBで読者に説明をする予定はあるか。
・この川柳への社としての見解は。
・読者からの批判をどう受け止めているか。
同社社長室広報からは、以下のような回答があった。
28日午前0時ごろ、当該記事とツイートを削除しました。
毎日新聞社として、掲載に当たり「嫌韓」をあおる意図はありませんでしたが、「嫌韓をあおる」と受け止められた方がいらっしゃったという事実については、真摯に受け止めております。
なお、当社WEB上にて、ご説明を掲載しております。
内容はウェブに掲載されたものとほぼ同じものだった。
BuzzFeed Newsの電話取材に対し広報担当者は、削除の理由や批判への見解について「回答でも述べた通り、批判を真摯に受け止めたので削除しました」と答えた。
また、社内の記者らからTwitterを通して、説明へ不満の声があがっていることについては「今初めて知りました。社としては確認していませんので今のところコメントはありません」と述べた。