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「まさか自分が被災するなんて」そんな一言から始まった、防災グッズを贈るカタログギフト。込められた思い

大切な人の人生の節目に、防災グッズを贈る「カタログギフト」が出来ます。被災地で聞いた声をもとに考案されました。KOKUAのメンバーに話を聞きました。

いつ起こるか分からない災害。大きな台風や豪雨は毎年発生し、巨大地震も近く発生すると言われているけど、備えは万全ではないーー。

そのような人も多いのではないでしょうか。

災害が起こってからでは遅いけど、何かきっかけがないと一歩を踏み出しにくい「防災対策」。

そのような状況を打開しようと、大切な人への人生の節目に、防災グッズを贈り物としてプレゼントできるよう、防災グッズ専門の「カタログギフト」を作成している若者たちがいます。

なぜ防災グッズをプレゼントとして、贈るのでしょうか。代表の泉勇作さんは、災害時に命を守る防災グッズを贈ることは、「あなたのことを思っている、と伝えること」とし、こう語ります。

「防災はとっつきにくく、大半の人が災害が起こることに不安を抱いていても、その多くが対策をできていないというのが現状です。いつ起こるか分からない災害に、すぐにお金をかけて準備しようと、なかなかなりません」

きっかけがないと揃える機会がない防災グッズ。だからこそ、ギフトとして大切な人に「贈る」という発想です。

防災グッズのカタログギフトは、引っ越し祝いや、進学、転勤など新生活を始める人たちに、または誕生日などに贈られることを想定しています。

カタログギフトの実現のために「READYFOR」で7月23日からクラウドファンディングを開始。

目標金額に達成したため、現在は9月3日を締め切りに、新しく設定した次の目標金額まで、クラウドファンディングを継続しています。

カタログギフトに掲載されている防災グッズは、ギフトとしても喜ばれるような、オシャレな見た目のものばかり。

インテリアの一部として部屋に置いたり、おしゃれの一部として身につけたりできるグッズが多いのが特徴です。

カタログギフトのプロジェクトを進めているのは、2019年4月に立ち上がった「KOKUA」。メンバー5人は、大学時代に災害救援活動などに取り組むNPOで出会い、災害が起きるたびに、各地の被災地で共にボランティアに取り組んできました。

大学を卒業してからも、災害ボランティアを共に続け、同時にKOKUAとしても、防災を広めることをテーマに、世界防災フォーラムに参加するなど活動を続けてきました。

その中で今年、社会起業してKOKUAを法人化し、カタログギフトのプロジェクトを本格化することになったといいます。

被災地で聞いた「まさか自分が被災するなんて」

学生時代や社会人になってからも繰り返し、泥かきなどの災害ボランティアをしてきたメンバーが、被災地で何度も聞いた言葉があるといいます。

「まさか自分が被災するなんて」

「(防災は)やらなくてはいけないとわかっていても、いざ防災を実行に移すことが難しい」

このような言葉を聞くたびに、メンバーは災害に備える重要性を感じ、防災のプロジェクトを始めることにつながりました。

災害ボランティアに学生時代から携わっていた、メンバーの疋田裕二さんは「災害は、いつどこでどういうタイミングで起こるか誰も分からないし、いつ自分の身に起こるか分からない」と話します。

だからこそ、防災グッズで災害に備え「災害で被害に遭う人が少しでも減り、被害を小さくできれば」という思いです。

また、代表の泉さんは兵庫県神戸市の灘区出身。1995年1月に発生した阪神淡路大震災で被災しています。

「幼かったために記憶は断片的ですが、地震の怖さは姉や兄に聞いたり、小学校で体験談を聞く機会があったりしました。その経験が、大学生の時に発生した東日本大震災のボランティアへ行くきっかけになったり、今回の事業に繋がっていると思います」(泉さん)

自身の経験からも「防災を世の中に広めたい」「災害や防災に対する意識を」という思いで、カタログギフトのプロジェクトを進めています。

カタログギフト「LIFE GIFT」は、従来のカタログギフトと同じように、贈る人が代金を支払い、送られる人がカタログの中から商品を選んでオーダーする仕組み。

全国の方に幅広く届けていくために、最初はECサイトで開始し、ゆくゆくは書店や生活雑貨の店でも、カタログを販売していく予定です。

カタログの名前は、「LIFE」と「GIFT」の単語どちらにも「IF(もし、もしも)」という言葉が含まれています。「もしもの時に、命を守る贈り物」という意味が込められています。

KOKUAは、クラウドファンディングのサイトで、こう綴ります。

「防災のことを意識はしていても、なかなか行動に移し切れていなかった人や、そもそも意識したことがない人でも、自然と防災対策が進む仕組みや世界を作り出したいと強く思います」


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