3月8日は「国際女性デー」。
この日に合わせ、新聞やウェブ上などで様々な広告が出されました。
企業や団体、教育機関は2021年の国際女性デーに、広告を通してどのようなメッセージを発信し、どのような宣言をしたのか。一覧にまとめました。
#女性も選べる社会へ 私たちは選択的夫婦別姓に賛成します。
ホットヨガやピラティス事業を展開する「LIFE CREATE」は、「私たちは、選択的夫婦別姓に賛成します」と、社としての姿勢を発信しました。
500人を超える社員の「約99%が女性」で「役員陣も管理職もほとんどが女性」という同社。
広告では「結婚をしているメンバーも育児をしながら働くメンバーもいます。だからこそ『選択的夫婦別姓』については無関係ではいられない会社です」とし、こう宣言しました。
「『姓』や暮らしや働き方を、女性も自由に選べることができる社会へ。そんな未来に挑戦していきます。#女性も選べる社会へ」
「知る」ことは「変わる」ことの第一歩
Googleは「『知る』ことは『変わる』ことの第一歩」として、検索エンジンならではの動画を公開しました。
動画では「ミソジニー」「ガラスの天井」などの言葉、そして「女性 昇進できない なぜ?」などの検索されている疑問を一覧にし、こう語りかけました。
「社会のあちこちに存在している不均衡や不条理。 Googleは今日から、ジェンダーにまつわる様々な関連キーワードをご紹介していきます。これらの言葉を入り口に、周囲にひそむ課題について考えてみませんか」
#チェンジは起きている
オンライン署名サイトの「Change.org」は、社会に変化を起こそうと、署名を立ち上げた女性に焦点をあてた動画を公開し、こうメッセージを発信しました。
「今日は国際女性デー。オンライン署名を使って声をあげた女性たちからのメッセージをお届けします。これからも、性別を問わず誰もが自分の意見や思いに価値があると信じられる社会を目指して」
動画では、「職場でのヒール・パンプス着用強制をなくしてください #KuToo」「乳児用液体ミルクの製造・販売を」「YouTubeでの体毛・体型に関する卑下の広告をやめてください」などの署名を始めた女性たちが経験を語っています。
「史上初」を成し遂げてきた女性たちに感謝し、次の扉を開く女性たちを応援します
「1930年:女性同士のキスが初めてハリウッド映画に登場」
「2016年:妊婦のコメディアンが初めてNETFLIXで冠番組を持つ」
「2020年:黒人女性が初めてスーパーヒーロー映画を監督」
動画配信サービスの「Netflix」は、1930年から現代までの映画やドラマなどでの女性の「史上初」をまとめた動画を公開しました。
「それまで語られてこなかった物語を、誰かが語る。それを見た誰かが、次の物語をつくる。そうやって世界は前に進んでいく。数々の『史上初』を成し遂げてきた女性たちに感謝し、次の扉を開く女性たちを応援します」
NetflixのTwitterアカウントでは、同社の社員が語る「記憶に残る女性キャラクター」とその映画などが紹介されています。
バイアス、バイバイ。
読売新聞には、国際女性デーのシンボルの花である「ミモザ」の色の背景に、大きく「バイアス、バイバイ。」と書かれた広告が掲載されました。
広告には、アートネイチャー、住友電工などから、このような宣言がされています。
「ジェンダーをとりまくバイアスは、過去のものになりつつある。女らしさや男らしさより、自分らしさが大切にされる世界は、すぐそこまで来ている」
「本日3月8日、国際女性デーに、私たちはそのことを再確認します。そして、バイアスなき世界に向けて、あなたとともに進んでいきます」
未来は勝手に進まない。進めてきた人たちがいる。
朝日新聞には、これまでの「女性初」の歴史のニュースを振り返った広告が掲載されました。
1913年8月 日本で女性初の大学生が誕生
1946年4月 日本で女性が初めて参政権を行使
2021年2月 経団連副会長に初めて女性が就任内定
広告では「塗り替えられてきた『常識』。ひっくり返った『慣習』」を振り返った上で「それでも、まだまだ解決すべき課題は山積みです」とし、朝日新聞や京都女子大学、昭和女子大学などが、こう宣言しました。
「すべての女性たちが、自由に生きていける社会に向けて。過去からのバトンを引き継ぎ、よりよい未来を次世代に手渡すために。自分たちにできることを取り組み、連帯して歩んでいきます」
「意識の改革」だけでなく「意思のある行動を」
日経新聞に一面広告を掲載したスキンケア・化粧品などの「POLA」は、同社関西エリアの女性オーナーのストーリーを元に、国際女性デーは「女性の可能性について、一人ひとりが考える日」としました。
広告では、こう綴っています。
「意識の改革はもちろん、より大きな前進のために。具体的なアクションが、いる」
「もっと、課題の現場へ。もっと、女性の可能性をケアする社会へ。女性という性別だけではなく、自分は女性と自認する人すべてのために。一人ひとりが動く。ひとつひとつ、動かすために」
働く女性の8割が、隠れ我慢を抱えている。
漢方などを販売する「ツムラ」は日経新聞の広告で、「働く女性の8割が、隠れ我慢を抱えている」として、医薬品の製造販売という立場からこう綴った。
不調を我慢して、仕事や家事をしている 80.3%
不調を我慢して、体調を悪化させた経験がある 61.2%
「心身の不調に向き合いながらも、周りに迷惑をかけないように、いつも通りに振る舞っている女性がたくさんいます。そんな『隠れ我慢』を減らし、誰もがもっと心地よく生きられる健やかな社会をつくりたい」
「100年以上、女性の不調に寄り添い続けたツムラだからできることを、これからも考えていきます。女性の不調に、我慢に代わる選択肢を」
声をあげなきゃ、始まらない。でも、それだけじゃ、変わらない。
京都女子大学は、朝日新聞朝刊(大阪本社版)に出した広告で、女子大学としての宣言を打ち出しました。
「女性たちが、声をあげ始めました。誰もが今より幸せになるために、何を変えたいと思うのか。声は広がっているけれど、それでもまだ、旧いルールや慣習は変わらない。なぜなら、それを『変える』と決める立場に、女性がほとんどいないから」
「女性を抜きにした半分だけの力では、世の中は動かない。良くならない。国際女性デーの今日、京都女子大学は約束します。社会の中で自ら手をあげ、意思決定権を持ち、その意思を実現へと導く女性を育てることを」