「どうかミャンマーを助けてください。国際社会による早急な助けを必要としています」ーー。
タイで開催されているミスコンの大会「ミス・グランド・インターナショナル」のステージで、ミャンマー代表・ハンレイさんが涙ながらに語った。

ハンレイさんはヤンゴン大学の大学生。ミス・グランドのミャンマー代表に選ばれ、バンコクで開催されている世界大会に出場した。
国軍や警察による弾圧が激化する中、ハンレイさんはスピーチで、こう話した。
《今、私の母国ミャンマーでは、こうして私がステージに立っている瞬間にも、多くの人々が命を奪われています。今日は、100人以上が亡くなりました》
《世界中の市民は国の平和や、平和に生きられる環境を望んでいます。その中で指導者たちは、彼らの権力を利己的に使うべきではありません》
《ミャンマーの人々は路上に出て、民主主義のために戦っています。そして私も、このステージに立ち、民主主義を求めます》
スピーチ時には会場スクリーンに、ミャンマーで市民が非暴力の抗議活動をする様子や、兵士らに銃撃される映像も流れた。
ハンレイさんのスピーチは、世界中から大きな反響を呼んだ。
YouTube動画のコメント欄には、各国から「ミャンマーの人々と共に」「どうか、帰国した後も無事でいてください」「ミャンマーの平和のために祈っています」との声が寄せられた。
SNS上ではミャンマーからも「私たちのために立ち上がり、国際社会に訴えかけてくれてありがとう」「勇気ある行動を誇りに思います」との感謝のコメントが溢れた。
止まらない殺戮。400人以上が犠牲に
2月1日の軍事クーデター以降、国軍や警察は、民主主義を求める非暴力の市民に銃撃を続けていて、報道によると死者は400人を超えた。
ハンレイさんがスピーチをした3月27日は国軍記念日で、式典が開かれていた。式典に合わせ各地で抗議デモをした市民を兵士らは激しく銃撃。1日だけで100人以上が死亡した。
子どもが巻き込まれ死亡するケースも相次いでおり、この日も13歳の少女が射殺されたり、遊んでいた一歳の乳児がゴム弾で目を撃たれたりした。
ユニセフ(国連児童基金)によると、2月1日以降、ミャンマー各地で少なくとも35人の子どもが殺害された。
Please Listen Our Voice.Please Save 🇲🇲 #SaveMyammar #ListenOurVoices
ハンレイさんはクーデター以降、InstagramやTwitterなどで、活発に民主主義を求める発信をしている。
「抵抗」を意味する3本指を掲げた自身の写真を投稿したり、ビデオメッセージを掲載したりしている。
今月上旬、Twitterにアップした動画では、ハンレイさんは「ミャンマーの人々は、国軍による人権侵害に直面しています」と危機を訴えた。
《国軍は、非暴力で抗議している人々を弾圧しています。子どもや高齢者が叩かれたり、若い女性や妊婦さんまでもが殺害されています》
《国際社会の助けが得られるまで、いったい何人が犠牲にならないといけないのでしょうか。どうか、ミャンマーを救ってください》
(サムネイル:時事)