ニュージーランド航空が、機内で「食べられるコップ」での飲料の提供をはじめました。
機内での紙コップなど、ごみを削減するためです。
ニュージーランド航空では現在、機内やラウンジなどで、1年あたり800万杯以上のコーヒーを提供しているそうです。
800万杯のコーヒーを提供するのに必要なのは、800万個の紙コップ。これまでは、それが全てごみとして排出されていました。
そこで、twiiceの食べられるコップが導入されました。
やはり気になるのは「熱いコーヒーを入れても、コップはふやけたり、コーヒーが漏れたりしないの?」という点。
同社によると、twiiceでは特殊な技術をつかってこのコップを製造しており、コップが飲料でふやけてコーヒーが漏れたりすることはないそうです。
飲料だけでなく、アイスクリームなども入れることができます。
現在はバニラ味だけで作られているコップ。twiiceによると今後は、チョコレート味など他の風味での製造販売も検討されているということです。
また、小麦アレルギーを考慮し、グルテンフリーのコップも販売を予定しているということ。
ビーチでの、家族の何気ない会話から生まれたコップ
Twiiceはニュージーランドで誕生した、家族経営のスタートアップ企業。
Twiiceのウェブサイトによると、食べられるカップのアイディアは、2015年の夏、家族でオークランドのビーチに海水浴に行った際に、思いついたものだそう。
ビーチでの会話から生まれた、食べられるコップのアイディア。数年の試行錯誤を繰り返し、商品化されました。今ではニュージーランドのカフェなどに卸しています。
今回、ニュージーランド航空との提携で、空の上でも、食べられるコップが楽しめるようになりました。
「コップのゴミを出さない」航空会社の挑戦
ニュージーランド航空はこれまでにも、機内で提供する飲み物のカップで、分解されないごみを出さないよう、試行錯誤を繰り返してきました。
日本の航空会社を含む通常の航空会社では、冷たい飲み物はプラスチック製のコップに入れられて提供されます。
しかし同社では全ての機内やラウンジで、プラ製ではなく、紙とトウモロコシで作られた植物由来のカップを導入してきました。
植物由来のカップは市販のコンポストで分解でき、この切り替えによって、年間約1500万個相当のコップのごみ削減が期待されているそうです。
また、乗客自身が再利用可能なコップを機内やラウンジに持参することも奨励しているということです。
その上で今回、導入された食べられるコップ。ニュージーランド航空シニア・マネージャー・カスタマー・エクスペリエンスのニキ・シャーヴ氏は、「お試しいただいたお客様からも大好評で、デザートボウルとしても使っています」と話しています。
機内食でもプラごみ削減
リリースによると、同社はコップ以外にも、機内食のプラスチック小包装パックや、ペットボトルでの飲料提供を廃止・削減を導入するなどして、プラスチックごみの大幅削減に務めています。
例えば、機内食についているソースをプラスチック小包装パックでなく、再利用可能な小皿で提供することで、毎年約20万個のプラ小包装パックの埋め立てを回避できるということ。
同社のサステイナビリティ担当マネジャー代理アナ・パラレさんはこのように話しています。
「使い捨てプラスチックは、私たちとお客様にとって非常にタイムリーかつ目に見える課題です。ニュージーランドでは堆肥化できるインフラの欠如が課題であることから、私たちはまず自社購入する使い捨てプラスチック製品の量を減らすことに焦点を当てました」
「日に日にお客様が、マイボトルを機内でお使いになったり、カップを複数回お使いになったりする光景を目にする機会が増え、素晴らしいことだと思います。より多くのお客様に実践いただけるよう、客室乗務員もリフィルをお持ちしてサポートいたします」