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コンタクトレンズの空ケース、捨てちゃってる?そんなあなたに知ってほしいことがある

使い捨てコンタクトレンズの空ケース、リサイクルできるって知ってましたか?アイシティ ecoプロジェクトを取材しました。

使い捨てのコンタクトレンズで必ず出てしまうのが、空ケースのごみ。

1dayのコンタクトレンズを毎日使っている人なら、1ヶ月に60個もの空ケースがごみになってしまいます。

実はその空ケース、リサイクルできるって知っていましたか?

アイシティ ecoプロジェクト」では10年以上にわたって、空ケースのリサイクル活動を続けています。

参加方法は簡単。空ケースを自宅で集めて、アルミシールをはがし、近くにあるコンタクトレンズ販売店の「アイシティ」に持っていくだけです。

アイシティの店舗には、空ケースの回収用ボックスが置かれています。

どのメーカーでも、どこで買ったものでもリサイクル可能です。カラーコンタクトレンズのケースでも大丈夫です。

使い捨てコンタクトレンズのケースは、メーカー問わず全て、ポリプロピレンという素材で作られているからです。

このリサイクルのプロジェクトを担当する、HOYA株式会社 アイケアカンパニー、マーケティング部の川田沙央里さんに話を聞きました。

空ケースが大量のごみに。「何かできることは」

同社が空ケースの回収・リサイクルを始めたのは、2010年4月。

その頃から日本では、使い捨てコンタクトレンズの使用が広まってきていました。

普及に伴って、毎日大量の空ケースがごみとして廃棄されるため、社内で「何かできることはないか」という声があがったことが活動のきっかけでした。

これまでに回収した空ケースは約389トン。空ケース3億8千万個分です。

普通ならごみとして焼却されてしまう空ケースをリサイクルすることで、再資源化。様々な製品に生まれ変わります。

回収された空ケースはリサイクル工場に売却し、工場で粉々に粉砕。その後、加工されて再生ポリプロピレン素材になります。

収益は全額、日本アイバンク協会に寄付

ポリプロピレンは熱に強いため、タッパーやおたまなどのキッチン用品、自動車・家電製品の部品の一部に使われることが多いといいます。

アイシティではリサイクルに参加した人に、ボールペンやマーカーをノベルティとしてプレゼントしていて、それらも空ケースを再利用して作られています。

リサイクル業者に空ケースを売却した収益は全額、公益財団法人「日本アイバンク協会」に寄付しています。これまでの累計寄付額は914万円に上ります。

この協会では、角膜の病気によって視力に障害が出た人々が視力を取り戻せるように、角膜移植とアイバンクの啓発、普及をしています。

「捨ててゴミになるならリサイクルしたい」参加者の声

プロジェクトを担当する川田さんによると、プロジェクトに参加した人からは、SNS上ではこんな感想が寄せられています。

「ケースは意外としっかりとした素材で、捨てるのはもったいない」

「捨ててゴミになるならリサイクルしたい」

そのままごみ箱に捨てれば、空ケースは焼却されます。

リサイクルすることにより、ごみとして焼却する際にでる二酸化炭素の排出量削減にもなります。

この空ケースのリサイクルで、これまでに削減できた二酸化炭素は約1080トン。数字で聞くと想像しにくいですが、これは東京ドーム64.7個分の二酸化炭素だといいます。

削減された排出量は、環境省の出している資料に基づいて計算されています。

リサイクルに参加する時の注意点は、空ケースについているアルミシールを完全に剥がしてから回収ボックスにいれること。

アイシティでは参加者にこの注意点を呼びかけていますが、店頭で回収される空ケースには、アルミシールがついたまま入れられているものも。

そのような空ケースのアルミシールは、アイシティの障害者部門「市川チャレンジオフィス」ではがす作業をしています。

企業、学校の参加で全国に広がり

2016年ごろから、企業や学校がリサイクルの活動に参加し、プロジェクトはさらに広がりをみせています。

個人が自宅で空ケースを集め、アイシティ店頭に持参するほか、企業や学校にも回収ボックスを置いているのです。

2021年2月時点での参加団体は、企業が730社、高等学校909校、中学校509校。

企業や学校教育でも、SDGsや環境問題に関心が高まっていることもあり、参加団体は各地でどんどん広がっているとのこと。

企業や学校などの参加者の声について、川田さんはこう話します。

「コンタクトレンズはメガネと違い、見た目ではなかなか着用しているかが分かりません。リサイクルの活動に参加を決めた企業や学校などからは『本当に集まるのかな?』という声もあります」

「しかし実際に回収を始めてみると、『想像していたより多くのケースが集まった』という声が多いです。学校での回収では、学生さんのご家族にご協力いただけるケースも多く、企業での回収ですと、普段はメガネを着用していても、休日などにスポーツするときだけコンタクトをする人もいるようです」

一般的に、「コンタクトレンズデビュー」は中学生や高校生が部活動などをきっかけにすることが多く、リサイクル参加校にも高校や中学校が多いそうです。

空ケースの回収率は1%未満

リサイクルへの参加が広がりをみせる一方で、日本全体でみると空ケースの回収率は1%未満。年間約5000トンの空ケースがごみとして処分されています。

1dayのコンタクト利用者からすると、空ケースは「毎日出るごみ」。川田さんは、こう話します。

「どこで買ったものでも、どこのメーカーのものでも全部単一素材でできていて回収ができるというのはなかなか他の製品ではありません」

「どんな方でも、幅広くご協力いただければと思います」


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