国会議事堂前に9月25日、多くの「靴」と「プラカード」が置かれました。
プラカードには「私は変わることにした。国は?」「時間がない」との言葉。
日本政府に、気候変動に対する迅速な対策を求めるアクションです。
世界各国でこの日、若者が中心となり、気候変動に対策を求める活動が行われました。
靴とプラカードを残し、対策を求めた今回の行動は「シューズアクション」と呼ばれています。
昨年も各国で実施されたように、世界各地で若者が中心となった大規模なマーチが行われるはずでしたが、新型コロナウイルスの影響で、このような形がとられました。
人が密集する行動ができないため、靴が人の数を表し、プラカードに書かれた言葉が参加者の声を語っています。
この行動を企画したのは、 有志の学生によるネットワーク「Fridays For Future Tokyo」。
「#FridaysForFuture(未来のための金曜日)」とは、スウェーデン・ストックホルム出身の環境活動家、グレタ・トゥーンベリさん(17)が、毎週金曜日に気候変動への対策を求めるストライキをし、世界へ広がった行動のこと。
各国に気候変動問題などに取り組む若者中心の団体があり、日本でも10カ所以上にFridays For Futureがあります。
この日、シューズアクション以外にも国内75カ所で気候変動アクションの活動が展開されました。
靴とプラカードにたくされた様々な思い
国会前に並べられたプラカードには、気候変動の危機を訴える声、政府に対応を求める声などが書かれました。
「一人の力だけでは気候危機は止められない。だから皆で社会を変えよう。19才 大学生」
「気候は変えず、自分が変わろう!There is NO Planet B(第二の地球はない)30代 大学教員」
「SHOE STRIKE FOR CLIMATE ACTION(シューストライキで気候アクション) 美しい地球をこどもたちに残したい」
「これでも気候変動が起こっていないと思いますか?」
国会議事堂前では、シューアクションの他に、集まった人と距離を取り、マスクを着用してのスピーチも行われました。
スピーチで話したFridays For Future Tokyoのオーガナイザーのミユさんは、こう呼びかけました。
「今年の夏はとても暑かったですよね。私にとっては今年の夏は、とても恐ろしい夏でした。あきらかに気象が異常だったからです。これでも気候変動が起こっていないと思いますか?」
「昨年の夏から8カ月以上にわたり、オーストラリアでは森林火災が起こりました。多くの野生動物も影響を受けました。シベリアで今年の夏、38度を記録しました。北極圏では氷が溶けている。これでもまだ気候変動が起こっていないと考え続けますか?」
ミユさんは、こう続け、政府への早急な対応、国民への関心を呼びかけました。
「環境問題を信じるか、信じないかの次元で語るのはもうやめにしませんか。もう気候変動は私たちを待ってくれないのです。地球は全員の財産です」
「政治家が誰も焦っていない。私たちがこうやって強く求めていることは、政府に早急な対策をしてもらうことです。政府が本気で取り組むには、国民の関心も必要です。国民が関心を持つ話題には、国も関心を向けます」
そして、ミユさんは最後に、こう強く訴えました。
「気候危機を止められる最後の世代です。わたしたちに与えられたラストチャンスなのです」
シューズアクションは、国会前だけでなく各地でも行われ、また、自宅などから靴とプラカードの写真を撮影し、SNSにアップする方法でも多くの人が参加しました。
個人や環境団体だけでなく、LUSHやPatagoniaなどの企業も参加しました。
Fridays For Future Japanは他にも、日本政府により踏み込んだ気候変動への対策を求めるオンライン署名活動を実施し、9月25日までに2万3千筆以上が集まっています。
Fridays For Future Japanは、日本政府に対し、3つのことを求めています。
1:1.5度目標の達成と早急な対策の実施
2:公正な政策決定のプロセス
3:若者の意見の尊重
午後6時からは、「#気候変動に特効薬なし」のハッシュタグで、一斉に気候変動への対策を求めるツイートが投稿されました。