香港の民主派日刊新聞「蘋果日報(アップルデイリー)」が最後の日を迎えた。
中国共産党や当局に批判的な姿勢を貫き、民主主義を支持する香港の人たちを支えてきたが、当局の圧力により、廃刊に追い込まれた。
蘋果日報は6月24日、最後の新聞を発行。
人々は支持を表すため、未明から列をなして新聞を買い求めた。
日報よると、最終日は、通常の10倍である100万部を発行。
SNSでは24日未明から、最後の紙面を求めて街中の新聞スタンドや売店に並ぶ様子が報告された。
また、同紙の支持者たちは23日夜、最後の紙面を作る社屋に集い、社名が書かれたプラカードやスマートフォンのライトを掲げて支持を示した。
社員たちも社屋のベランダなどから、スマホのライトを掲げ、最後の日を惜しみ、読者に感謝を伝えた。
香港出身で現在、日本に住む30代女性は、BuzzFeed Newsの取材にこう語った。
「創業者・黎智英氏だけでなく、蘋果日報のすべての記者や従業員は、当局からの強い圧力に負けず、プロ意識の下、香港の人々の声を届け続けました」
「今日が蘋果日報の最後の日というニュースを聞き、涙が止まりません。蘋果日報は、香港の民主化運動の精神を表しています。『国家安全維持法』と呼ばれる法の名の下に、当局が言論の自由の弾圧を行ったことは恥だと思います」
国家安全維持法に違反した疑いで当局から指名手配を受け、イギリスに逃れた民主化活動家の羅冠聰(ネイサン・ロー)氏は、以下のようにツイートした。
「蘋果日報は権威主義体制に殺されました」
「蘋果日報にとっての最後の日、人々は社屋の周りに集い、支持を示しました。胸が痛む、つらい光景です」
「私たちは悲しみに暮れていますが、決して諦めません」