「卑劣な蛮行」「決して許すことできない」安倍元首相の銃撃で岸田首相、事件を強く非難

    奈良市の近鉄大和西大寺駅前で7月8日午前、演説中の安倍晋三元首相が銃撃された。岸田文雄首相は報道陣に対し、「卑劣な蛮行であり、決して許すことはできない」と語り、事件を強く非難した。

    奈良市の近鉄大和西大寺駅前で7月8日午前11時半ごろ、参院選の応援演説をしていた安倍晋三元首相が銃撃された。

    この事件を受け、岸田文雄首相は同日午後、記者団に対し「卑劣な蛮行であり、決して許すことはできない」「絶対に許してはいけない」と語り、事件を強く非難した。

    安倍氏は大和西大寺駅前での演説中に胸を撃たれたとみられ、緊急搬送された。警察は現場で、山上徹也容疑者を殺人未遂容疑で逮捕した。

    岸田首相は事件発生当時、街頭演説のために山形県におり、ヘリコプターで急遽、主要官邸に戻った。

    岸田氏は「今回の犯行の背景については、まだ十分に把握できていない」とした上で、以下のように語った。

    「民主主義の根幹である選挙が行われている中で起きた卑劣な蛮行であり、決して許すことはできないと思っています」

    「最大限の厳しい言葉で非難を致します。政府としてはあらゆる事態を想定し、対応できるよう、万全の対応をしていきたいと思っています」

    安倍元首相に関しては、「今現在、深刻な状況にある」とし、「今、懸命の救急措置が行われていると承知をしています。まずは、安倍元総理がなんとか一命を取り留めていただくよう、心から祈りたい」と話した。

    銃撃当時の警備の状況については、「最善を尽くしていたと信じたいですが、それについても今一度しっかり確認をすることも大事であると思う」とした。

    また、「(事件の発生で)社会の風潮が変わったのではないか」という記者の質問に対しては、「今回の犯行について、犯人像、あるいは背景について、まだ今現在、十分に把握できているとはいえない」とし、回答を避けた。

    自民党は、7月10日投開票の参院選に向けての各地での街頭演説を、中止している。

    サムネイル:時事通信