バレエ観たことない人でも「バレエめっちゃすごい!」ってなる映画『くるみ割り人形』の魅力

    黒人女性として初めてABT(アメリカン・バレエ・シアター)のプリンシパルに任命されたミスティ・コープランドさんの言葉。

    現在公開中のディズニーの新作映画『くるみ割り人形と秘密の王国』。チャイコフスキー作曲の音楽によるバレエ『くるみ割り人形』の原作をもとに映画化された、バレエとも関わりの深い作品です。

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    再生ボタンをクリックすると最初に流れる、どこかで聞いたことのあるメロディが、チャイコフスキー作曲の「行進曲」(『くるみ割り人形』より)。

    だから映画にはしっかりバレエのシーンが。バレリーナ・プリンセス役を演じるのが、黒人女性として初めてABT(アメリカン・バレエ・シアター)のプリンシパル(首席)に任命されたミスティ・コープランドさん。

    人種や貧困などさまざまな壁を越えてきた彼女。「将来、待ち受けていることについてはあえて考えないようにしていますが、幸運にもこれまで、想像もしなかった多くのすばらしいチャンスに恵まれてきました」

    「スケールの大きいディズニー映画に出演できるなどとは思ってもみませんでしたし、私がバレエを始めたきっかけとこれまでのキャリアと深いつながりのある作品ですから、まるで夢のようです」とインタビューに回答。

    『くるみ割り人形』はコープランドさんが13歳でバレエを始めた年に、主役のクララ役で初めて出演したバレエ作品。それから20年以上が経ち、彼女はABTのプリンシパルとして、またクララを踊っています。

    すばらしい。でも、バレエってちゃんと観たことないし、ハードルも高い……。そんなあなたこそ『くるみ割り人形』を観るべき。なぜなら筆者もそうだったから。そして「バレエめっちゃすごい!」ってなったから。

    「女性バレエダンサー」には線の細いイメージがあるかもしれません。しかし、コープランドさんは別のインタビューでそれがステレオタイプであること、全員そうしなければならないわけではないことを指摘しています。

    コープランドさんの肉体は、まさにアスリート。それを余すところなく躍動させ、優雅に舞います。その姿からは、人間の肉体そのものが持つ表現力を、強く感じることができました。バレエってすごいんだな。

    知識としては頭にあっても、初めてバレエをまじまじと観ると、「えっ、そんなに跳べるの!?」「えっ、そんなに足を開くの!?」「そんなにつま先で歩いて大丈夫なの!?!?!?」と、圧倒されまくることうけあいです。

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    もちろん、映画自体もとっても素敵!『アリス・イン・ワンダーランド』シリーズが好きな人とか特におすすめです。クリスマスの時期にぴったりの映画なので、興味を持った方はぜひ、家族や恋人と劇場へどうぞ。