「なんでぼくは?」結婚式に着る予定のスーツを見た子どもの言葉に、お父さんがハッとした話。

    「『かっこいい』で納めてしまったのは良くなかったかな」

    「子どもとの向き合い方を深く考えるキッカケになった話」

    結婚式に出席する2日前の夜、準備していたスーツを着たくないと泣いてしまったお子さん。

    それを受けて、漫画家で父親の吉本ユータヌキさん(@horahareta13)は、感じたことを漫画にまとめました。

    Twitterに漫画を投稿したところ、1万近いリツイートと4万8千を超える「いいね」が集まり、大きな注目が寄せられています。

    BuzzFeedは漫画家の吉本ユータヌキさんにお話を聞きました。

    今回、コンテンツ配信サイトで連載している漫画を、できるだけ多くの人に読んでもらいたいという思いからTwitterにも投稿したのだそう。

    ねえねに憧れて...

    漫画の中では、吉本さんの心が揺れ動いている様子も描かれています。

    好きなものを着せてあげたいという思いと、周囲から受け入れてもらえなかったらという心配があったからです。

    父親として、お子さんの気持ちに触れた時どのように感じたのか聞いてみると、こんな答えが返ってきました。

    「お姉ちゃんが着ていて、羨ましいから自分も着たいという気持ちはわかったのですが、出した服(スーツ)を拒んでまでドレスを着たいと言ったのは驚きました」

    その後も漫画は続きます。こちらは、お子さんの説得を試みる様子が。

    なかなかお子さんの納得がいかなかった矢先、ねえねが一言こう説明します。

    「『かっこいい』で納めてしまったのは良くなかったかな」

    ねえねの一言でお子さんがスーツを着ることになり、一件落着。

    と言いたいところですが、吉本さんの中では「かっこいい」という言葉でその場を納めてしまったことは、よくなかったのではないかと感じているそうです。

    「 “男だからかっこいい“服を着るんだよと捉えてしまうことで、価値観を狭めてしまうことになるかなと思いました。かわいいもかっこいいもどっちも良いということを教えてあげるためには、もっと良い方法があったんじゃないかなと。ここは今後もっと考えないといけないところだと思っています」

    また、今回の話は、繊細な内容だけに漫画に落とし込み、世に出すことをためらったといいます。

    「描くに当たって、すごく悩んで、すごく考えましたが、どうしてもこれ!という答えはなく、結局は、親子の中で最適な答えを決めるしかないと思いました」

    「しかし、読者の方から寄せられた反応には、攻撃的な反論や意見はなく、自分ならこうかも…と、みんなそれぞれの考え方として尊重していたのがすごく嬉しかったです」

    「色んな感想を読んだり、意見を聞いたりできて、色んな考え方があるんだなと僕自身も考えが深まったと思います」

    「2人でなんでもする」

    漫画の最後は、「かわいい〜!」と言いながらネイルで遊んでいるシーンで終わります。

    スーツを着るきっかけをつくった“ねえね”と“ぼく”との仲良しな雰囲気が伝わってくる1コマです。

    ネイル以外に、普段どのようなことをして2人で遊んでいるのでしょうか。

    「まだ性別というものを認識していないので、男の子だからこれ、女の子だからこれという分け方はせず、2人でなんでもするという感じです。プリキュアごっこもすれば、プリンセスごっこしています! 」

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