聴覚過敏を持つ小学生が、自分の経験や思いを元に描いたマンガがあります。
マンガの作者で小学3年生の娘さんを持つ、お母さんのあんずもちさん(@AHAMA92686882)がTwitterに投稿した「音っていたい」というタイトルが付けられたお話には、3千以上のリツイートと6千を超える「いいね」が集まりました。
リプライ欄でも、「素敵なお話」「気持ちが伝わってくる」などの声のほか、「わかります!」「そう!音は痛いのだ!」といった共感のコメントも寄せられました。
「音っていたい」
BuzzFeedは、詳しいお話を聞きました。
マンガを投稿した経緯についてお母さんは、
「もともと娘の希望で娘の描いた絵をTwitterに投稿することが多かったんです。 今回も皆さんに聴覚過敏を知ってほしい、自分の描いたものを見てほしいという娘の希望で投稿しました」と語ります。
娘さんも、マンガを描いた理由についてはこう教えてくれました。
「聴覚過敏について皆にもっと知ってもらって、自分やほかの聴覚過敏の人が、少しでも過ごしやすくなったらいいなと思ったからです」
マンガは2週間かけて、丁寧に仕上げたそうです。
お母さんに制作の様子を聞いてみると、こんな答えが返ってきました。
「絵はわりとすぐに描くことができたんですが、字を書くのはあまり得意ではないので、まず鉛筆で書いてから間違えないように気を付けてゆっくり丁寧にペンでなぞっていました」
聴覚過敏とは....
「聴覚過敏」の症状は人によって異なりますが、マンガを描いた娘さんの場合、「人の泣き声」や「ざわざわした音」、「大きな音」が苦手で耳に痛みを感じます。
また、状況によって痛みの強さは変わり、ひどい時には耳に突き刺さるような痛みに加えて、翌日まで頭痛や吐き気が続くことも。症状が出ることへの不安や恐怖によって、状態が悪化することもあるそうです。
そばで支えるお母さんは、娘さんの症状についてこう話します。
「毎回ではないですが、精神的・肉体的に疲れているときや、ストレスが多いとき、音が近くで鳴っているときに、症状がひどくなりやすいです」
「反対に少ししか気にならないときは、外ではイヤーマフをしていることが前提にはなりますが、意識が他に向いているとき、本人が楽しいと思えることをしているときや、何かにものすごく集中しているときです。娘の場合、絵を描いてるときや仲良しのお友達と遊んでるときは比較的気にならないようです。それでも外ではイヤーマフは必須なんですが...」
家族のサポート
そんな娘さんに対して、家族も可能な限りのサポートをしていると、お母さんは語ります。
「できるだけ人混みを避けるよう行動したり、用事で出かけるときや外食などはなるべく平日にしたりするようにしています。出かけるときは、基本的には短時間、長い時間になるときでも必ずこまめに休憩をとるようにしています」
「ごくたまにですが、あまりに辛そうなときは用事や予定を切り上げて帰るときもあります。それは決して娘のせいではない(誰のせいでもない)のに、『自分のせいで帰ることになってごめんね』と思ってしまう子なので、なかなか難しいです。なるべくそんな風に感じさせないようにしたいと考えています」
読者へメッセージ
ツイートには多くの反響が集まり、お母さんも娘さんも多くの人の目に止まったことを喜びます。
「見ていただけた分、感覚過敏への理解や認識が広まっていると思うのでありがたいです。娘はもっともっと沢山の人にみてもらいたいなーと言っています」
その上で、娘さんが、読者に伝えたいメッセージを聞いてみました。
「聴覚過敏自体を、正しく知ってほしいです。変な誤解や意地悪なんかは絶対にしないでほしいです。バカにするのではなく、皆ひとりひとり個性は違うのだから、聴覚過敏も個性のひとつと思ってほしいです」
聴覚過敏を特別だと思わないでほしいーー。
「普通に接して欲しい、みんなと同じ、というのが娘が一番伝えたいことだと思うんです」