【都知事選】ドタキャン騒動の果てのテレビ討論で批判合戦 政策論争は?

    主要3候補がようやく顔を合わせた。

    東京都知事選の有力3候補が7月19日、そろってフジテレビのバラエティ番組「バイキング」に出演した。

    野党統一候補のジャーナリスト鳥越俊太郎さん、自民・公明が推薦する元総務相の増田寛也さん、自民党の支援なしで立候補した元防衛相の小池百合子さん。

    毎日新聞の世論調査では、有権者が最も重視する基準は「政策」。だが、今回は突然起きた選挙ということもあり、候補者間で十分な政策論争はない。

    投票日まで2週間を切る中、候補者たちが直接討論する貴重な機会。都民に向けて、何が語られたのか。

    泣き所の突き合い

    番組は、お互いの泣き所の突き合いから始まった。

    増田さんは鳥越さんの公約「がん検診100%」について、「これは区市町村の仕事で、都の仕事ではない」と批判した。

    鳥越さんは「東京都がはっきりと都民に訴えかけて、自治体や企業の協力を得て実施していく。これは誰かが言わないと、なかなか動かないんです」と答えた。

    小池さんは鳥越さんの立候補経緯を突く。立候補を断念した弁護士の宇都宮健児さんについて、アメリカ大統領予備選で最もリベラルな主張を掲げ、旋風を巻き起こした候補者になぞらえ、「日本のサンダース」と呼んだ。

    「都民目線でいいことをおっしゃっていた宇都宮さんの公約が、鳥越さんの公約に盛り込まれていない。特に築地魚市場の移転はどうするのか」と問うた。

    鳥越さんは「本当に問題があるなら、前に進められない。中断も先延ばしもありうる。じっくり話を聞いた上で判断する」と応じた。

    増田さんはこれまで東京一極集中を批判し、税収再配分を見直し、東京の税収を減らした点を突かれた。

    「東京都のオリンピックやそれ以降の財政需要は非常に大きいので、これからはしっかり都税を守っていく」(増田さん)

    鳥越さんは小池さんの発言を批判。「街頭演説で『病み上がりの人をただ連れてこればいい』と言ったのかどうか」

    「言ってないですね、記憶にないですね」と小池さんが答えたが、鳥越さんはニュース番組のテロップを出して「実際に発言しています。これはガンサバイバーへの偏見だ。ガンサバイバーは何もできない、という印象をあたえる」。

    都議会改革で論戦

    3人の直接対決が一巡すると、番組司会の坂上忍さんが「都議会との関係」について切り込んだ。

    都知事だった猪瀬直樹さんがニュースメディア「NewsPicks」で、内田茂・自民党都連幹事長を「権力が肥大化し、いろんな利権も彼を通さないと話が進まない」などと名指しで批判し、話題を呼んでいる。

    「例えば小池さんでいらっしゃったら、(自民党東京)都連の方たちと明確な対立軸があるように見えるんですね。

    小池さんが都知事になられた時は結構バッサリいっちゃうのかな、と。ただ、小池さんが掲げられた冒頭解散というスローガンは、非現実的なんじゃないのか、本当にできるのかどうなのか。

    逆に増田さんは、都連の方々から推されているお立場で、じゃあ都知事になられた時にメスを入れられるの? 改革していただけるの?

    一方で鳥越さんは、ジャーナリストでいらっしゃいましたから、今は違いますね。そしたら、結構小池さん並にズバッといくのかなと思ったら、選挙戦が始まっても明確な具体案が聞こえてこない。

    その3人が都知事になられた時に、どうやって都議会というもの、都というものにメスを入れていくのかをお聞きしたいんですけれども……」

    小池さん「都政を都民のものに取り戻していく」

    小池さんは「都議会の冒頭解散」について、「都議会から不信任を受けたらという話だ」と弁明。次のように述べた。

    「私はいま、東京都連、都連と仰いますけど、都連の中のごく一部の話をしていて、他の都連の議員のみなさんは一生懸命やってらっしゃるんです。ですから、そういう方々と共に、本当の意味での都議会と都民の距離感というのが、残念ながらいろんな場合出ていますので、これを是正することによって、都政を都民のものに取り戻していくという作業をしていきたい。これが東京大改革なんです」

    増田さん「議会とケンカしろと言われれば、する」

    増田さんは「(都知事は)都民から選ばれる立場です」「都民の方を向かなければいけない」と指摘した上で、都議会とは緊張関係があると述べた。

    「議会は議会で都民から選ばれていますからね、意見が違うことも実際には多くあります。でも、議場の中でオープンでやる。そして常に私は都民から選ばれている、そういう中で、議会と緊張関係がある。議会とケンカをしろと言われれば、しっかりケンカをする。それが都民から選ばれたものの責任だと思います」

    鳥越さん「話し合って合意点を見つける」

    鳥越さんは「僕は偏見でもって東京都議会は大変らしいなという気持ちは持っておりません」と宣言し、こう続けた。

    「東京都民の声を都議会の方にもちゃんと届けて、すぐ一致するというわけにはいかんでしょうけれども、合意点を……。合意点というのは非常に大事だと思うんですよね。話し合って合意点を見つける、ということを誠心誠意、全身全霊をかけてやっていきたいと思います」

    ドタキャン騒動も

    この番組までに一悶着あった。17日に放映された、同じフジテレビの「新報道2001」での討論企画が見合わせになった。

    増田さんは、鳥越さんがキャンセルしたから中止になった、と放送前日にツイッターに書き込んだ。

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    鳥越さん陣営は「15日の段階で、出演依頼を断っている」と反論 していた。

    選挙情勢について、毎日新聞の世論調査では、小池さんと鳥越さんが競り合い、増田さんが追う展開。一方、日経新聞は小池さんが先行したと報じている。

    だが、3人の政策には明確な争点が見えず、議論はお互いの「弱点」をつくばかりだった。有力とされる候補者同士の政策論争がほとんどないまま、選挙は中盤に入った。