「敗北? 敗北って何についてですか? 選挙は国民の選択です」。岡田克也代表は、東京・永田町、民進党の開票センターに設けられた会見場で、こう声を荒げた。
7月10日22時17分、開票センターに岡田代表が姿を見せた。会見場には150人前後のマスコミ関係者が詰めかけた。紺のスーツに、ブルーのネクタイ。選挙期間中とほとんど同じような格好で登場した。
そこから、各メディアの生中継を分刻みで受ける。
「(選挙の結果は)厳しいが、民主党として戦った3年前より良い」
「安倍総理が立憲主義についてどう考えているか聞きたい」
「憲法は争点化されなかった。安倍総理は逃げて逃げて、逃げまくった」
「市民が中心になる新しい民主主義が始まった」
出てくる言葉は強い。表情は崩さないままだ。中継と中継の合間、腕を組み、手をさすり、一息ついてふっと上を向く。ペンを持ち、何かを紙に書き込む。
開票センターには各局の中継を映し出すテレビモニターが7台設置されている。与党候補に次々と当確が出るなか、民進党の数字はあまり動かない。
3年前よりは結果が良く、進退をかけた三重選挙区も勝った。では、代表は続投か。
「白紙です。9月の代表選については、これからゆっくり考える」とだけ語った。強気な言葉と、続投への弱気な姿勢は対照的だった。