「アメリカは黒人が大統領になっている。これは奴隷ですよ。はっきり言って」
自民党の丸山和也参院議員は参院憲法審査会で、「アメリカは黒人が大統領になっている。これは奴隷ですよ。はっきり言って」と述べた。時事通信によると、丸山議員は会見を開き、「私の意図するところと違う発言をしてしまったと認識している。議事録を精査し、削除および修正したい」と発言したという。
議事録削除、修正の前に発言のすべてを確認しておきたい。
発言は参議院のインターネット審議中継、2月17日で確認できる。問題となった丸山議員の発言は2時間23分過ぎから。
「日本がアメリカの51番目の州どのような問題があるのか、ないのか。(51番目の州になっていれば)集団的自衛権、安保条約は問題になっていない。拉致問題も起こっていない。これは日本がなくなることではない。アメリカの制度になれば、人口比で下院議員の数が決まる。おそらく日本州というのは、最大の下院議員選出数を持つと思う。日本州出身者も大統領になる可能性がある。世界の中で行動する日本がありうる。馬鹿げた話だと思われるかもしれない。例えばいま、アメリカは黒人が大統領になっている。これは奴隷ですよ。はっきり言って。リンカーンが奴隷解放をやったと。でも公民権もない、なにもない。公民権運動のなかで公民権が与えられた。でもまさか、アメリカ建国の時に黒人、奴隷が大統領になるなんて考えもしない。それくらいダイナミックな変革をしていく国なんですよ」
そもそも、オバマ大統領は「奴隷」の子孫ではない
アメリカ建国時と現在の差を表現しようとした発言とも考えられるが、これに対し、ツイッター上では「そもそも、事実誤認では」との声が上がっている。オバマ大統領はケニアからアメリカに留学した父親と白人の母親の間に生まれている。
丸山議員はどの発言を「削除および修正」するのだろうか。
2月18日の衆院予算委で、菅義偉官房長官は丸山議員の発言について、問われ「常に自らの発言に責任を持ち、国民の信頼を得られるよう説明責任がある」と述べている。