西日本を中心に、台風21号による被害が全国で広がっている。
台風21号は9月4日正午ごろ、徳島県南部に上陸。「特急電車並み」の猛烈な風を伴う、非常に強い勢力を保ったままでの上陸は、1933年以来の台風13号以来、25年ぶりとなった。
菅義偉官房長官は5日の記者会見で、台風21号による死者は大阪府と愛知、三重、滋賀3県で、計10人になったと発表。NHKによると、5日午前3時までに、全国で少なくとも340人が負傷したとみられる。
関西国際空港では、強風に煽られたタンカーが対岸と空港島をつなぐ連絡橋に衝突し、利用客ら約3000人が一晩取り残された。
5日早朝から、高速船で神戸空港へ移送する救助活動が開始されている。
関西電力によると午前8時現在、大阪府、兵庫県、和歌山県を中心に、計100万戸以上で停電が続いている。
世界遺産に登録されている寺社や、文化財も甚大な被害を受けている。
気象庁によると、台風21号は5日午前9時ごろ、北海道北西の海上で温帯低気圧に変わった。引き続き高波や強風に十分注意するよう呼びかけている。
では、被災後はどうすれば良いのか。
震災がつなぐ全国ネットワーク(震つな)の資料「水害にあったときに」から、6項目を紹介する。
1. 安全を確保したら、まずは写真
2. 次に被害を連絡
3. 罹災証明書をもらおう
4. かたづけは急がず
5. 掃除をするときは、肌の露出を避ける
6. 漏電には十分注意
さらに、熱中症にも十分注意が必要だ。
気象庁によると、5日の日中は、西日本から北日本の広い範囲で台風一過の晴天が広がり、気温30度を超える暑さとなる見込み。
熱中症は、高温多湿である梅雨明けや大雨後の暑い時期がもっとも発生リスクが高いとされるため、十分注意する必要がある。
佐久総合病院(長野県佐久市)の医師たちが中心となり、子どもの病気やホームケアについて情報発信している「教えて!ドクタープロジェクト」によると、主な熱中症予防のポイントは以下の通り。
- 梅雨の合間の晴れ間、梅雨明け、30度以上は注意
…急に暑くなる日、梅雨の合間の晴れ間や梅雨明けなど、気温と湿度が高い日は熱中症のリスクが高くなる - 屋内でも油断しない
…日差しのない屋内でも、屋外と同じように注意が必要。特に体育館は風もなく、締め切っていることもあり、熱中症のリスクが高い - 適した服装を
…推奨されるのは、薄い色の服、吸湿性や通気性の良い素材、屋外では帽子の着用、直射日光を避ける、保冷剤の併用など 子どもには大人から休憩や水分補給の声かけを
…特に乳幼児は体の不調を十分に訴えられない上、遊びに夢中になると、熱中症のサインに気づくのが遅れる場合がある。大人が様子を見て、休憩時間や水分補給を促す必要がある- 子どもを暑い環境に置き去りにしない
…「寝ているから」「ちょっとの時間だから」と思っても、乳幼児を放置するのは危険。特に車内の置き去りは絶対にやめましょう