生後6カ月の乳児が死亡したケースも ブラインドやカーテンに隠れた危険

    こうした事故は、保護者が安全だと感じている寝室やリビングで、静かに発生するため、事故が起きても気付きにくいという。

    カーテンやブラインドのひも部分が子どもの首に絡まって、窒息する事故が起きているとして、消費者庁が3月17日、Twitterで注意喚起した。

    中には死に至るケースもあるといい、同庁は事故を防ぐために、安全対策が施された製品を選んだり、ひもを安全な長さに調整したりするよう注意を呼びかけている。

    生後6カ月の男児が死亡

    【ブラインドのひもに注意!】ブラインドのひもが子どもの首に引っ掛かるおそれがあります。ひも付きのブラインドを設置する場合は、重さがかかるとつなぎ目部分が外れる等の安全対策が施された製品を選ぶ、ひもを子どもの手が届かない位置でまとめる等しましょう。 https://t.co/OVdcw3ZShR

    消費者庁が2010〜2014年の「人口動態調査」をもとに調べたところ、5歳未満の子どもが、ブラインドなどのひもによって事故死したケースが3件あった。

    また、死亡事故以外にも、2007〜16年までに計7件の事故が確認されている。

    中には、ブラインドの近くに設置されたベッドで寝ていた生後6カ月の男児が、寝返りをしてベッドから転落した際、ブラインドのひもが首に食い込んだとみられる事故もあった。

    海外では、2016年に経済協力開発機構(OECD)が世界15カ国を対象に実施した調査によると、1996年以降で計250件以上の死亡事故が発生していたことがわかったという。

    消費者庁は、ブラインドやカーテンのひも類が子どもの首に絡まると、気道閉塞による窒息、または酸素欠乏による神経障害が起こり、15秒以内に気絶、2〜3分で死に至る可能性があると指摘している。

    こうした事故は、保護者が安全だと感じている寝室やリビングで、静かに起きるため、事故が発生しても気付きにくいという。ひもが絡まったことで、子どもたちが助けを求める声を出すことも難しくなってしまうためだ。

    事故を防ぐためにできる3つのこと

    では、事故を防ぐためにどうすればいいのか。消費者庁は次の3点を挙げている。

    まず、ブラインドやカーテンは、ひも類がないものや、ひもが輪っか状になっていない、あるいは輪が小さい商品を選ぶようにする。

    また、ひものつなぎ目部分が外れやすい「セーフティジョイント」を備えた商品が推奨されている。

    次に、子どもが引っかかってしまう恐れがあるひも類は、クリップなどでまとめ、子どもの手が届かない位置に固定するようにすること。

    最後に、子どもがソファやベッドに登ってひもにひっかることがないよう、ブラインドやカーテンの近くに家具を置かないよう推奨している。