7月8日午前11時半ごろ、奈良市の近鉄大和西大寺駅前で、参院選の応援演説をしていた安倍晋三元首相が銃撃されたと、報道各社が一斉に報じた。
NHKなどによると、安倍氏は出血しており、心肺停止の状態で奈良県内の病院に搬送されたという。
警察は安倍氏を撃ったとして、山上徹也容疑者(40代)を殺人未遂の容疑で逮捕。SNS上には複数の目撃者が動画をアップしており、「2回発砲音がして誰か打たれたらしい」などと投稿している。
「大きな車両がぶつかるような音」
現場近隣で暮らす男性は事件発生当時、「『ドーン!!』と大きな車両が何かにぶつかったような音がして驚いた」とBuzzFeed Newsの電話取材に語った。
「その後、ヘリコプターが大きな音を立ててやってきた。救急車もパトカーも大勢集まってきたな、と思ったら、携帯の速報で『安倍元首相撃たれる』と入ったので大変驚いた」
「テレビをつけると、中継されていて大変なことが起きたと思った。こんな銃で撃たれるなんて怖すぎる。暴力は何があっても許されない」
「早く救急車来てよ」と叫ぶ声
同じく近隣で暮らす女性は「演説を見ていたら2回爆発音が鳴った。周辺から『きゃー』と叫び声が聞こえ、先ほどまで演台で話していた安倍さんの姿がなくなっていた」と語る。
安倍氏が立っていた演台をよく見ると、血か何かで「すごく汚れていた」という。
「1回目と2回目の(発砲)音は時間差があったが、撃った後の煙みたいなものが立ち込めてただごとじゃないと思った」
「2回目の銃声の後、SPたちが安倍さんを取り囲み、1人の男を一気に取り押さえた。特に逃げる様子はなく、そのまま取り押さえられた感じ。SPの人はもっと早くいけよと思った」
「そのあと、パトカーやヘリがきて、安倍さんを心臓マッサージやAED(自動体外式除細動器)をやっていた。ブルーシートで取り囲まれ、みんな『早く救急車来てよ』と叫んでいた」
女性は「こんなことが日本で起こるなんて驚いている。怖いし、私も動転して、すぐに現場を逃げるように離れた」と語った。
松野官房長官「蛮行許されるものではない」
松野博一官房長官は8日午後1時ごろ、「安倍元総理の容態は現在のところ不明であり、引き続き確認中であります」と、記者団の取材に話した。
参院選で遊説中だった岸田文雄総理大臣で直ちに連絡し、山形県から東京へ向かっているという。その他の閣僚も全員、東京へ帰京するという。
松野官房長官は「いかなる理由であれ、今回のような蛮行は許されるものではない」と強く非難した。