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授賞式に行かなかったのは「家族を守るため」 ゴールデングローブ賞を欠席した俳優の思い

ゴールデングローブ賞のリミテッド・シリーズ部門で主演男優賞を受賞したラッセル・クロウ。授賞式には出席せず、あるメッセージを託していました。

アカデミー賞の前哨戦となる第77回ゴールデングローブ賞授賞式が1月5日、アメリカ・カリフォルニア州のビバリーヒルズで開催されました。

多くの受賞者が壇上でトロフィーを受け取るなか、壊滅的な被害をもたらしているオーストラリアの森林火災から「家族を守るために」、授賞式を欠席したある俳優のメッセージが注目を集めています。

ラッセル・クロウ「家族を守るため」

その俳優とは、映画「ビューティフル・マインド」や「グラディエーター」で知られる、オーストラリア在住の俳優ラッセル・クロウ(55)。

アメリカの大手テレビ局「FOX News」の元CEOで、2017年に他界したロジャー・エイルズ役を演じた作品「The Loudest Voice」で、リミテッド・シリーズ部門の主演男優賞を受賞しました。

しかし、名前が読み上げられてもクロウさんは壇上に現れず、プレゼンターの女優ジェニファー・アニストンが「ラッセル・クロウは今晩、壊滅的な被害をもたらしているオーストラリアの森林火災から家族を守るために、授賞式には参加できませんでした」と説明。

続けて、「もしも賞を受賞した場合に」と預かっていたクロウさんのメッセージを代読しました。

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「オーストラリアで起きている悲劇は、間違いなく気候変動によるものです」

「私たちは科学に基づいて行動し、世界の労働力を再生可能エネルギーへ移し、唯一無二で、素晴らしい場所である私たちの惑星に敬意を払わなければなりません。私たちが、未来を生きられるように」

森林火災200件以上、前代未聞の事態

BBCなどによると、オーストラリアでは2019年9月ごろから、各地で「高温と乾燥した気候」による森林火災が200件以上発生し、「前代未聞の事態」が続いています。

これまでに1200軒以上の家屋が被害を受けたほか、数百万ヘクタールが焼け野原になったとされています。

また、オーストラリアの環境保護団体「The North East Forest Alliance」によると、この火災の影響で、2000匹以上のコアラが死に、北部海岸エリアにおけるコアラの生息地の約30%が焼失しました。

今年9月から続く森林火災によって、甚大な被害が発生しているオーストラリア。 南オーストラリア州では、消火活動に当たっていた地元の消防隊が、火の手から逃れたコアラに水を与え、救助しました。 現地の環境保護団体などによると、火災の影響で2000匹以上のコアラが死亡したとされます。

授賞式後、クロウさんは自身のInstagramを更新し、自身の家に備えられているという避難用トラックを紹介した動画とともに、キャストや制作陣への感謝の言葉を述べました。

動画内ではトラックに積まれた数千リットルの水、シャベル、予備のホース、耐火ブランケット、服などを順々に見せ、最後に「火災と戦うために必要なものが全て積まれているんだよ」という言葉とともに、ゴールデングローブ賞のトロフィーも映し出されました。

11月にはTwitterに火災現場にいる動画を投稿し、「これを友達に送ってください、僕も皆さんに伝えた方がいいと思ったから。火はまだくすぶっているし、見渡す限り倒れた木から煙が上がっています」と話していました。

Sent this to a friend. Thought I’d share with you too . Fires still burning , logs smoking everywhere you look. Got halfway to where we were trying to get to, will try again in the morning when it’s cooler.