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男性の5人に1人がDVを経験。内閣府の調査でわかった6つのこと

性暴力と配偶者間のDVにまつわる6つのデータをまとめました。

内閣府は3月下旬、性暴力や配偶者・交際相手によるドメスティックバイオレンス(DV)の現状について調べた「男女間における暴力に関する調査」の結果を公表した。

調査は1999年に始まり、3年ごとに実施。今回は2017年12月、全国の20歳以上の男女5000人を対象に調査し、女性1807人、男性1569人から回答を得た。

BuzzFeed Newsは主に性暴力と配偶者間のDV、こうした暴力の影響に着目し、調査から明らかになった6つのポイントをまとめた。


1. 女性の7.8%、男性の1.5%が無理やり性交などをされたことがある。

「あなたはこれまでに、相手の性別を問わず、無理やり(暴力や脅迫を用いられたものに限りません)に性交等(性交、肛門性交または口腔性交)されたことがありますか?」という問いに、「ある」と答えた人は、女性の7.8%、男性の1.5%だった。

2014年度の調査でも、無理やり性交された経験について調べているが、当時は調査対象が女性のみで、加害者は異性、性交は「膣性交」に限定されていた。

だが今回の調査では、2017年6月の刑法改正で、強姦罪・準強姦罪の名称が強制性交等罪・準強制性交等罪に変更され、被害者の性別も女性に限らず、性交の定義も広げられたことを受け、調査項目も変更された。

2. 被害を相談しなかった理由で、最も多いのは「恥ずかしくて誰にも言えなかったから」

無理やり性交などされたことがあった164人のうち、56.1%(92人)は、被害について誰にも打ち明けたり、相談したりしたことがないと答えた。

相談しなかった理由は多い順に、「恥ずかしくて誰にも言えなかった」(52.2%)、「自分さえ我慢すれば、なんとかこのままやっていけると思った」(28.3%)、「そのことについて思い出したくなかった」(22.8%)だった。

男性被害者のみに注目すると、「どこ(誰)に相談して良いのかわからなかったから」(44.4%)が一番多かった。

3. 被害者の7割が「被害によって生活が変わった」と感じている

無理やり性交などされた経験がある人の7割が、被害によって生活が変わったと答えている。

具体的には、「加害者や被害時の状況を思い出させるようなことがきっかけで、被害を受けた時の感覚がよみがえる」(21.3%)、「異性と会うのが怖くなった」(17.7%)、「夜、眠れなくなった」(16.5%)などの変化を感じている。

4. 女性の3人に1人、男性の5人に1人が、配偶者からの暴力を経験している

配偶者による暴力については、女性の3人に1人、男性の5人に1人が経験したことがあると答えている。また暴力が「何度もあった」と答えた人は、女性の13.8%、男性の4.8%を占めた。

なお、今回の調査では「配偶者による暴力」として以下の4項目をあげ、いずれかを経験したことがあるかを聞いている。

  • 身体的暴行:殴ったり、蹴ったり、物を投げつけたり、突き飛ばしたりするなどの身体に対する暴行
  • 心理的攻撃:人格を否定するような暴言、交友関係や行き先、電話・メールなどを細かく確認したり、長時間無視したりするなどの精神的嫌がらせ、または脅迫
  • 経済的圧迫:生活費を渡さない、貯金を勝手に使われる、外で働くことを妨害されるなど
  • 性的強要:嫌がっているのに性的な行為を強要される、見たくないポルノ映像などを見せられる、避妊に協力しないなど

5. 配偶者から暴力を受けた男性の7割は、誰にも相談していない

配偶者からの暴力を経験した女性の約6割が、被害について誰かに相談している一方、男性の7割が誰にも相談していないことが明らかになった。

相談しなかった理由は多い順に、「相談するほどのことではないと思ったから」(58.2%)、「自分にも悪いところがあると思ったから」(34.3%)、「相談しても無駄だと思ったから」(22.3%)などが上位だった。

6. 配偶者間の暴力があった家庭の2割では、子どもにも被害が及んでいる

配偶者から暴力を受けたことがあり、子どもがいると答えた590人のうち、「あなたの子どもは18歳になるまでに、配偶者から心理的虐待や身体的虐待、ネグレクト、性的虐待などをされたことがありますか?」という問いに、何らかの被害があったと答えた人は、21.4%だった。

具体的には、心理的虐待(言葉による脅し、無視、目の前で家族に暴力を振るうなど)が15.1%、身体的虐待(殴る、けるなど)が10.8%、ネグレクト(家に閉じ込める、食事を与えない、病院に連れていかないなど)が1.4%だった。

また、「わからない」と答えた人も9.7%を占めた。

「男女間における暴力に関する調査」の詳細はこちら


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