ここは、東京のとあるゲイバー。ある夜、友人と飲みに来た「女性」の話が話題を呼んでいます。
「『良い女』っていう男が作り出した役割なんてもう嫌だ」という彼女の言葉に、もちぎさんは「女ってだけで怖い目にあったり、下に見られたり不当な扱いを受けたりしてきたんだろう」と感じます。
「ゲイのあたいたちもわかりやすく差別され、制度や理解、認知上では当たり前のように不当な扱いを受けている」
「けど隠すことはできる。隠せばただの『男』だ」
「彼女たちへの差別は慣習や風習と名乗って、目に見えて不文律のように闇に葬り去られて区別されてしまってる」
「生きてるだけで女にならなきゃならない。それは一体どれだけ苦しいんだろう」
人生はどこまでも他者との関わりだから
ツイートは6万6千リツイートを超え、「何度読んでも共感すぎて泣けてくる」「女性に限らず、この社会は『○○は○○らしくあるべき』が多すぎる」など、様々な意見が寄せられました。
中には「ゲイバーで女性が男性を批判し、このように振る舞うのは迷惑ではないか」という声も。もちぎさんはBuzzFeed Newsの取材にこう語りました。
「たしかにゲイバーによっては女性が入店できないお店もありますが、うちはなんでもオッケーの大衆店だったし、愚痴を吐き出す場所でした」
「愚痴を吐かざるを得ない背景をみんなも理解して、弱った人間や、楽しみたい女性を連れてきたりしていました」
マンガを通じて、伝えたかったことは。「人生はどこまでも、自分と他者の関わり」だともちぎさんは言います。
「ゲイの自分も異性婚が当たり前の環境で暮らしていると、さまざまな場面で『男性的であること』や『普通的であること』を求められる状況にぶち当たります」
「あたいとしては、このマンガを読んだ誰かが、自分と違う属性や立場の人と向き合って、どこが違うのか、相手との折り合い方や、自分の考えをアップデートしていく大切さをみんなで話し合えたら嬉しいです」
「人生はどこまでも、自分と他者の関わりですから。他者とどう関わるか、どこまで関わるかも、一度向き合ってみないと分からない、ってことです」