2022年にBuzzFeed Newsで反響の大きかった記事をご紹介しています。(初出:8月31日)
実は心理学の中でも、自分と他人を比べることは、自然な行為だという風に言われてます。だから、まずは人と比べてしまう自分を責めないであげるっていうのが大事。
その上であなたが思うダメっていう部分なんだけど、それってどこと比べてダメなんだろうっていうのを考えてみてほしいです。
実は自分は長所だと思ってる部分も、短所だと思っている部分も表裏一体だったりする。案外自分がダメだって決めつけてる、その部分があなたにとっての一番の魅力だったりする場合はあります。
なので、「ここがダメ」って決めつけて、自分自身を責めるようなことはする必要は全然ありません。
ただ、あまりにも自分を責めすぎてしまうのであれば、私たちみたいな心理の専門家に頼ってもらえると嬉しいです。
Q. セクシュアリティが「ふつう」と違うので、みんなと一緒にいるのがつらいです。
それは、すごくしんどいことだと思います。
でも、もしあなたが今、自分の周りにいる人たちと違ったとしても、画面の中にいる私とは一緒かもしれない。
私は同性のパートナーがいたこともあるけれども、それが自分の「ふつう」だと思っています。
あなたにはあなたの「ふつう」があると思うし、あなたと同じ「ふつう」を持った人っていうのが外の世界にはいるかもしれません。
だから、無理にその場所にいる必要はないし、自分で環境はを作ることもできるし、自分で選ぶこともできる。
何でもできるから、自分にとって居心地のいい場所ってどこなんだろうっていうのを、まず考えてみてもいいかもしれません。
Q. 家族や友人が悩んでいたらどうしたらいいですか?
お話を聞いてあげたいなって思う場合は「大丈夫?」って聞いちゃうと、人はどうしても大丈夫って答えちゃうものです。
なので、悩みがあるかもしれないと思った人には「どうしたの?」「何かあった?」という聞き方をしてあげると、少しだけ話しやすくなるかもしれません。
実は話を聞く以外にも、心のサポートのしかたっていっぱいあります。
私の場合は学生時代、自分の話を打ち明けるのがすごく苦手で、相談とかも全然できなかったんだけど、でも夜に長電話をしてくれる友達の存在にすごい救われてたと思う。
周りにもし悩んでいる人がいたら声をかけてあげてもいいし、もしくはLINEでスタンプを送ったりとか、何かくだらない話してみたりとか、そういうことをしてあげるのもいいと思います。
ただ、やっぱり悩みの中には、もう一人では抱えられない、周りも抱えられない、専門的な知識が必要な悩みも、なかにはあります。
だから、そういったことはチャット相談やSNS相談とか専門機関がやってるところにまず相談してみるといいかもしれません。
Q. 夏休みの終わりを前に、生きづらさを感じている10代に伝えたいことは?
自分が学生時代のときって、生まれてきた環境とか、親とか周りの友達とか、学校とか、自分の得意なことも不得意なことも全部、変えられない、甘んじて受け入れなきゃいけない、と思い込んでいました。
でも大人になるにつれて案外、自分の環境は選べる、選択するようになれるんだと分かってきたっていうのは、自分の次の世代には伝えていきたいなと思っています。
私も今、10代の時にやりたいなって思ってた仕事とは全然違う仕事をしているし、自分が大人になるにつれて、周りの人や住む場所はすごく自由に選べるようになってきました。
自分を縛っているのは、案外自分自身なのかもしれない。そして、それを解き放つ為の術はだんだん見えるようになってくるものだと思います。
そしてもし今、死にたいなとか、人生に絶望してるなと思ってたとしても、実はそれは今だけのことかもしれません。
だから、今生きている自分の体や心を大事にしながら、生きていってほしいなって思います。
学校へ行きたくないなら、行かなくていい。付き合いたくない友達がいるなら、付き合わなくていい。親のことが大嫌いだとしても、いつかは離れられるタイミングが来る。
そう信じてほしいなと思ってます。
前編の記事はこちら
【電話相談・LINE相談】
電話・LINEなどSNSでの相談一覧(厚生労働省) https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/
子どものSOS相談窓口(文部科学省)
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/06112210.htm
全国の相談窓口一覧(いのち支える自殺対策推進センター)
https://jssc.ncnp.go.jp/soudan.php