「いじめられっ子、過去との決別。」
そんな言葉とともに、Twitterに投稿された漫画が注目を集めています。
作者はどんな思いを伝えたかったのか。BuzzFeed Newsは漫画を描いたこうざと明さん(@akira_moromoro)に話を聞きました。
私は友達じゃなかったんだ
こうざとさんは、北海道在住の21歳。漫画は中学2年生の時に、それまでただのお遊びだと思っていた「からかい」が、いじめだと気づいた時のエピソードから始まります。
いじめは「ブサイク」などの言葉から、ゴミを投げられる、雪玉で狙われる、指をさして笑われるまでに発展。
先生にいじめを打ち明けても、「〇〇君たちはそんなことしてないって言ってたから」と頭から否定。それが決定打になったと言います。
「『先生は本当に何も知らないんだ』という絶望感と、私が真剣に相談した悩みを存在しなかったことにされたのがショックでした」
球場で選手を応援したい
人が怖くてたまらなくなり、外出もままならないまま数年間苦しんでいたこうざとさんの背中を押したのは、プロ野球でした。
「野球に興味を持ったのは、2016年に地元の(北海道日本ハム)ファイターズが日本一になったことがきっかけです」
「選手の名前もほとんどわからないのに、彼らが日本一を喜んでいる姿がなぜか自分のことのように嬉しかった。当時は外に出ることも数えるほどだったのに、『球場で選手を応援したい』と思いました」
病名がついた
勇気を出して病院に行ったら、これまで抱えていた症状に病名がついた。すぐに実践できる気分転換の方法を教わり、薬を処方されたことでみるみる回復。
それまでは病院にいけないほど外が怖かったのが、すっかり普通の生活が送れるようになったと話します。
漫画は2万5千件以上リツイートされ、「勇気をもらいました」「私も一度ちゃんと診てもらおうと思います」「我慢して塞ぎ込み続けるより、多くの人に病院に行って元気になってほしい」などの声が寄せられました。
こうざとさんが漫画で伝えたかった一番の教訓は、精神的に苦しくなったらまずは病院へ行ってみようということ。そして軽い気持ちで口にした言葉も、人を深く傷つけること。
2017年春には専門学校に入学し、最近バイトも始めたこうざとさん。いまの目標は「バイト代を貯めて、旅行も兼ねて関東へファイターズのビジター応援に行くこと」です。