国際女性デーの3月8日、ジェンダーに基づく差別や暴力に反対する「ウィメンズマーチ」が東京・渋谷で開催された。
参加者は国連大学前を出発し、およそ1時間かけて渋谷の街を行進。多くの人々がプラカードや国際女性デーのシンボルであるミモザの花などを手に、声をあげた。
ジェンダーに基づく差別は社会のあらゆる場面に存在する。BuzzFeed Newsはマーチの参加者が性差別に直面した経験とともに、これから目指していきたい社会を聞いた。
「皆がhappyでいられる社会を!」
大学2年生の西野麗華さん(20)も高校生の頃から、ジェンダーによって他者からの扱われ方が違うことを感じていた。
「もともと男子校だったのが共学校になった高校に通っていたのですが、女子が生徒会長や応援団長などのリーダーシップをとるポジションにつくと、先生たちが『男子情けないな〜』と発言したりすることに、とても違和感がありました」
「まずはジェンダーに基づく差別が社会にはのこっていること、それに対して声をあげている人たちがいることを多くの人に知ってもらいたいです」
「受験における性差別がない社会」
大学1年生の乙幡丈翔さん(19)は、高校受験の時に日本のジェンダーギャップを目の当たりにした。
「高校ごとに男女別の定員があるせいで、塾のクラス分けでも女子が不利になり、自分と同じ点数をとった女子が同じクラスに入れないということがありました」
「自分が有利になるなら、その方がいいじゃんと思う男子もいるかもしれませんが、自分は純粋に同じように勉強している人が不利になるのは、シンプルにおかしいと思います」
「性暴力被害者を責めない社会」
大学4年生の浅井佑友さん(25)は以前参加した文化祭で、友人が痴漢の被害にあった。
「その時、彼女はスカートを履いていたんですが、親に相談したら『そんなスカートをはいてるからいけないんでしょ』と言われたそうです」
「その話を聞いて、本当に衝撃を受けて。性暴力自体がなくなるのがもちろん一番ですが、現実に被害を受けている人がセカンドレイプされることのない社会にしていきたいです」
「家父長制のない社会」
20代のMariさんが求めるのは「家父長制」のない社会。
「一緒に暮らしているパートナーが言って、結婚のことも考えますが、今の社会では結婚や出産・育児を経ることで、今あるパートナーとの対等で、お互いが自立した関係が崩れてしまうように感じます」
「結婚したら私が名字を変えないといけないのかなとか、子どもが生まれたら、仕事を休むのは当たり前のように私になるんだろうなとか」
「結婚制度自体が解体されるべきと思う部分もありますが、まずは選択的夫婦別姓や同性婚など、目の前にある不平等を解消してからにしてほしいです」
「あらゆる差別のない社会を」
大学教員の小幡千穂さんと定松文さんは、「あらゆる差別のない社会を」作りたいとい、今の社会では「ケア労働があまりに女性に偏りすぎている」と指摘する。
「東南アジアなど外国籍の女性を支援する活動をしていますが、日本ではそうした女性たちを低くみる風潮が本当に根強い」
「ジェンダーだけでなく、国籍や民族、世代などあらゆる属性に基づく差別がない社会を、みんなで作っていきたいと思います」