昨年9月に発生した森林火災によって、甚大な被害に見舞われているオーストラリア。
シドニー大学の研究者によると、コアラなどの哺乳類のほか、鳥類や虫も含めておよそ10億匹以上もの動物が犠牲になったと推定されています。
そんな中、オーストラリア南東部バーロン・ヘッズの砂浜に現れた「巨大なコアラ」の絵画が多くの人の胸を打ち、注目を集めています。
砂浜に現れた120mのコアラ
「今この国に暮らしている人で、煙の中に沈んでいく奇妙な色の夕日を見ながら、全ての生き物へ思いを馳せたことのない人は、いないと思います」
ABCの取材にそう語ったのは、コアラの絵を描いた「エドワード」(@breatheablueocean)という名前で知られるアーティスト。
匿名で活動しているイギリスのストリートアーティストの「バンクシー」になぞらえて、地元では「バーロン・ヘッズのバンクシー」と呼ばれているそうです。
彼は落ち葉を集める熊手一つで、砂浜に巨大な絵を刻む作風で知られており、今回のコアラの作品は120mにも及ぶとされています。
木に必死にしがみつき、こちらをじっと見つめるコアラの脇には「Australia Burning(オーストラリアが燃えている)」という文字が刻まれています。
この作品を描こうと思い立った時の思いを、エドワードはBBCなどの取材にこう語っています。
「その時、遠くの方で立ち上る煙が見えて、200km先で燃え盛る炎の匂いがしました。私はただ座っていて、自分の中に無力感が根を張るのを感じていたんです。その時に、コアラの作品を描こうと思い立ちました」
「この絵はただ問いかけてるんです。『この状況の中で、声を上げられない生き物たちはどうなってしまうのか?』と。その問いは、私たちが抱えている無力感にも通じていると思います」
「私たちには、何ができるのか?という問いなんです」
「動物たちへの美しい贈り物」
コアラの絵を記録した写真は、オーストラリアのFacebookページなどで約8000回シェアされ、「世界中に喪失感と絶望感が広がる中、犠牲になった動物たちへの素晴らしい贈り物になった」などのコメントが寄せられました。
NHKによると、火災で1月18日までに28人が死亡し、住宅約3000棟以上が全焼。日本の面積の半分近くに当たる17万平方km以上の土地が消失したとされています。
エドワードはコアラの作品の他にも、消火や救助活動に当たっている消防隊や救急隊をたたえた作品「Thank You」も投稿しています。
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