「子育てママだからホワイトハウスでは働けない」トランプ氏側近の発言で波紋

    日本は?

    トランプ次期米大統領の選対責任者を務めたケリアン・コンウェイ氏(49)には、新政権を側で支えるキャリア・チャンスが開いている。だが子育てを理由に、ホワイトハウス入りしないと発言し、物議を醸している。

    「わたしの子どもは12歳、12歳、8歳、7歳。だから(ホワイトハウスに)入ることは母親として、悪い考えです。悪い考えです。悪い考えです。悪い考えです」

    4回繰り返した。

    発言は12月7日、ワシントンDCのホテルで開かれた女性をテーマにしたイベントで飛び出した。ファッションブランド「トリーバーチ」、報道機関「ポリティコ」、Googleが主催したイベントだ。ABCなどが伝える。

    「子どもたちが一番じゃなきゃいけないんです。とても難しい年齢ですから」

    「政治でもメディアでも公共政策でも、女性たちにチャンスは広がっています。でも私たちはまだ選択しなきゃならない。そして限界があるんです」

    目の前に広がるキャリアを極めるチャンスより、子育てをとるというコンウェイ氏。夫は弁護士で、法律事務所のパートナーだ。

    子どもがいても...?

    ポリティコによると、コンウェイ氏は選対の男性幹部たちとの会話も明かした。

    彼らから「君に子どもが4人いることは知ってる。でも...」とホワイトハウスでの仕事を受けるように示唆されたというが、こう切り返したという。

    「『でも』の後に続く言葉で私にとって筋が通ることはないって言い返すんです。だから、やってみようともしません。『でも』って何なんでしょう」

    「でも、子どもたちは一日中、シリアルを食べ続けると? 私が帰宅するまで、誰も歯磨きさせないって?」

    コンウェイ氏が思う「女性の視点」で見るように、うながしたという。

    「彼らに丁寧に尋ねるんです。ホワイトハウスでの大仕事に就こうとしている目の前の男性にです。『あなたは就任依頼を受けますか』という質問ではなく、『あなたの妻にそうしてほしいですか』という質問です。『子どもたちの母親にそうしてほしいですか』と」

    「すると彼らの顔色はハッキリ変わるんですよ。こんな感じです。『オー、ノー』。妻には、やってほしくないんですよ」

    これがアメリカ社会の現状だ主張するコンウェイ氏。日本はどうだろうか?

    反応は

    子どもを理由に仕事を受けないというコンウェイ氏の発言をSlateが伝えると、こんなリアクションが。

    「わたしは子どもたちが小さいとき、働きましたよ。そのときボンクラ夫は家族を支えようとしなかったから!」

    「共和党は、中間層の女性が子どもと家庭にいないで働くことを嫌い、豊かでない女性が働かずに子どもと家にいることを嫌う」

    (ヒラリー・クリントン氏の発言)「これをみている全ての少女たち、自分には価値があって、力があるということを決して疑わないで。夢を追い、実現するために、世界に広がるチャンスを持つにふさわしいということを」っていうのと反対ね。

    オバマ政権は

    このイベントのキーノートスピーカーだったのは、オバマ大統領の上級顧問を務めるヴァレリー・ジャレット氏(写真右)。

    ジャレット氏はシングルマザーで31歳の娘がいる。イベントの司会者が「ホワイトハウスでの上級職と母親であることは両立できないのですか」と尋ねると、舞台裏でコンウェイ氏とバッタリ会って話をした、と明かした。

    「やってみなさいよと勧めました。ホワイトハウス内部での経験は比類ないものです。私はその素晴らしさを享受してきました。この8年間は何事にも変えられません」

    ジャレット氏は、娘が成人しているので、自分の場合は仕事に集中しやすかったのかもしれないとも述べた。ただ、幼い子を育てながらホワイトハウスで働く同僚もいると指摘。

    「空気感はトップから変わると思うんです。こんなことを言えるような関係性を上司と持っていれば。『ほら、これが最優先事項ですよ。よき母親であること以上に重要なことはないんですが、よき母親であると同時にこの仕事を上手くこなすだけの柔軟性を持つことも可能だと思います』と。こういうことをコンウェイ氏にはやってみてほしい」

    トランプ氏は働く母親を「歓迎」

    コンウェイ氏は、トランプ氏がワーキングマザーを歓迎していないわけではないと念を押した。

    「母親たち、結婚している女性も、結婚していない女性も、トランプ政権のホワイトハウスは歓迎します。トランプ氏はこのことを私に明確にしました」

    自分がホワイトハウスでの職を辞退するのは「個人的な選択で、要求されたわけではない」という。

    自身の経験やコネクションをかって、就職の誘いがあるとも説明した。

    「もしかしたら、アメリカの女性たちが、ワークライフバランスについて罪の意識を感じにくくする助けはできるかもしれません。例えばスカイプやフェイスタイムを使って、どうやって仕事をできるか示すとか。やり方はあると思うんです。方法を探りたいと思います」

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