ロシアのプーチン大統領が、自ら指揮をとって米大統領選に干渉しようとしていた可能性が高いと、米NBCが12月14日、報じた。
米大統領選をめぐっては、ハッキングされた民主党関係者の電子メールがウィキリークスで暴露され、ヒラリー・クリントン氏が釈明に追われた。
諜報機関の高官が米NBCに話した内容によると、ロシアのサイバー攻撃は当初、クリントン氏への「復讐」として始まった。
だが、アメリカ政治の腐敗を暴く目的に変化。アメリカは世界のリーダーとして信頼できない存在だというイメージをつくり、アメリカと同盟国間に楔を打ち込む狙いに移ったという。
プーチン大統領は、KGB(旧ソ連国家保安委員会)で対外諜報に携わった経歴がある。KGBの後身であるFSB(ロシア連邦保安局)長官も務めた。
アメリカ側も反撃の機会を狙っている。プーチン大統領が「弱者」に映るようなスキャンダルを探し、金銭問題を詳しく調べているという。
トランプ氏勝利を支援
ロシアのサイバー攻撃については、CIA(中央情報局)が、トランプ氏を勝利させることを狙っていたと結論づけている。
ワシントン・ポストによると、ロシア政府につながりがある複数の人物を特定。これらの人物は、ハッキングした電子メールをウィキリークスに提供していたという。
包括的調査へ
外国からのサイバー攻撃を巡っては、オバマ大統領が12月9日、大統領選期間中の一連のハッキング行為について、包括的な調査を命じている。
また、諜報機関の職員はBuzzFeed Newsに対して、ロシアはアメリカでの成功を足がかりに、今後ヨーロッパで相次ぐ選挙への干渉を狙っていると話している。