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【参院選】憲法改正が争点だった? 各新聞社で結果の報じ方がまったく違う

「取り組むべき」「ゴーサインが出たとはいえない」

参院選の結果が出た。獲得議席は自民56、民進32、公明14、お維新7、共産6、社民1、生活1、無所属4。同じ事実でも、報じ方は新聞社によってまったく違う。

主要5紙のうち4紙が「改憲」を巨大な横見出しにとった。

主要5紙のうち4紙が「改憲」を巨大な横見出しにとった。

読売だけが、横見出しより小さい縦見出しに「改憲」としている。

記事の冒頭でも、憲法に触れていない。ようやく3段落目で「改憲勢力は憲法改正発議に必要な3分の2(162議席)に達した」と出てくる。

記事の冒頭でも、憲法に触れていない。ようやく3段落目で「改憲勢力は憲法改正発議に必要な3分の2(162議席)に達した」と出てくる。

読売の政治部長は「選挙戦で有権者が重視した政策は『社会保障』や『景気・雇用』だ」と書いた。

「憲」という文字は一つも出てこない。一方で「野党はふがいなかった」。共産党との共闘は有権者に「不信を一層強めさせたのではないか」

「憲」という文字は一つも出てこない。一方で「野党はふがいなかった」。共産党との共闘は有権者に「不信を一層強めさせたのではないか」

読売の社説が、憲法に触れたのは最後。「憲法改正にとって、改憲勢力の拡大は前進ではあるが、これで改正発議が現実味を帯びたとみるのは早計だろう。具体的な改正項目について、各党の足並みが必ずしもそろっていないからだ」

「まずは衆参の憲法審査会で、改正テーマの絞り込みの議論を冷静に深めることが重要である」

「まずは衆参の憲法審査会で、改正テーマの絞り込みの議論を冷静に深めることが重要である」

一番踏み込んだのは産経。見出しから「発議可能に」。改憲への意欲が紙面にみなぎる。

「改憲勢力が、国会発議の要件となる3分の2(非改選と合わせて162議席)に必要な74議席以上を確保した」

「改憲勢力が、国会発議の要件となる3分の2(非改選と合わせて162議席)に必要な74議席以上を確保した」

「いまこそ憲法論議を」という産経の政治部長。「与野党の最大の対立点が安保法制だった」と、読売とは違う解釈をした。

「制定後70年たっても手つかずだった憲法改正に真剣に取り組むべき時がきた」

「制定後70年たっても手つかずだった憲法改正に真剣に取り組むべき時がきた」

産経の社説も同様だ。脱デフレ、安全保障体制の強化、憲法改正に総力を挙げる「責任を、安倍首相は負ったといえよう」

民進党の「最大の失敗は、基本政策の根幹が異なる共産党との協力だろう」

民進党の「最大の失敗は、基本政策の根幹が異なる共産党との協力だろう」

日経の見出しは「改憲勢力 3分の2」

グラフィックで改憲勢力が163議席を占めたと示した。(定数242÷3×2=161.333...)

グラフィックで改憲勢力が163議席を占めたと示した。(定数242÷3×2=161.333...)

日経の政治部長は「憲法改正への扉を開いた選挙」ではなくて「『デフレ脱却の契機となった』と語り継がれなくてはいけない」。産経と違う解釈。(誰が語り継ぐの?)

「今の日本に『改憲も脱デフレも』と二兎(と)を追う余裕はない」。「このままではアベノミクスは破綻し、日本は沈む」。産経は憲法改正に真剣に取り組めと主張していた。日経と産経との直接対決を見てみたい。

「今の日本に『改憲も脱デフレも』と二兎(と)を追う余裕はない」。「このままではアベノミクスは破綻し、日本は沈む」。産経は憲法改正に真剣に取り組めと主張していた。日経と産経との直接対決を見てみたい。

日経の社説は、自民党の改憲草案をこき下ろした。「保守色が濃すぎてとても多くがのめる代物ではない。見直しの党内論議を求めたい」

「民進党に親和的だった中道保守の票が民進党に行きにくくなった」。「民共連携は与党を利する一面があったといえる」

「民進党に親和的だった中道保守の票が民進党に行きにくくなった」。「民共連携は与党を利する一面があったといえる」

毎日の見出しは日経とほぼ同じ。「改憲勢力 3分の2超す」

毎日もグラフィックで改憲勢力は163議席と示した。「秋の臨時国会以降に想定される改憲項目の絞り込みは難航が予想されるが、改憲発議に向けた環境が整った」

毎日もグラフィックで改憲勢力は163議席と示した。「秋の臨時国会以降に想定される改憲項目の絞り込みは難航が予想されるが、改憲発議に向けた環境が整った」

毎日の主筆も「自民党が復古調の改憲草案を撤回すること」を求めた。

「あの草案には、自由や平等への敬意がない。憲法に内在する普遍的価値を冷笑するのなら、そもそも憲法を論じる資格はない」と批判する。

「あの草案には、自由や平等への敬意がない。憲法に内在する普遍的価値を冷笑するのなら、そもそも憲法を論じる資格はない」と批判する。

毎日の社説は3分の2の意義をこう解説。「今回の参院選は戦後政治史の転換点になる可能性がある」

ここでも憲法改正草案の破棄を求めた。「明らかに近代民主主義の流れに逆行する」

ここでも憲法改正草案の破棄を求めた。「明らかに近代民主主義の流れに逆行する」

朝日の見出しは「改憲4党 3分の2に迫る」。「改憲勢力」という言葉を使わず、慎重な表現。

記事では「改憲に積極的な姿勢を見せる無所属議員が少なくとも4人いる。合計すると、発議に必要な3分の2以上の162議席に達する」。日経や毎日は163としていたので、1人少ない。

記事では「改憲に積極的な姿勢を見せる無所属議員が少なくとも4人いる。合計すると、発議に必要な3分の2以上の162議席に達する」。日経や毎日は163としていたので、1人少ない。

朝日のゼネラルエディターは「戦後政治と、その支柱となってきた憲法が大きな曲がり角を迎えつつある」。毎日とおなじ見方だ。

「遠くない将来、私たちも国民投票に向き合うかもしれない」

「遠くない将来、私たちも国民投票に向き合うかもしれない」

朝日の社説は「『後出し改憲』に信はない」。「この選挙結果で、憲法改正に国民からゴーサインが出たとは決していえない」

「(野党4党が)共闘していなければ、1人区の当選者はさらに限られただろうことを考えれば、共闘の試みに意味はあった」。産経とは逆の評価だ。朝日と産経が直接対決したらどうなる?

「(野党4党が)共闘していなければ、1人区の当選者はさらに限られただろうことを考えれば、共闘の試みに意味はあった」。産経とは逆の評価だ。朝日と産経が直接対決したらどうなる?

朝日の一面の名物コラム「折々のことば」では、鷲田清一さんがこんな言葉を取りあげた。

「どこにいくのかなあ?」「というより なにから逃げてるかが 問題よ」

(ムーミンとミイの会話)

鷲田さんは、こう指摘する。

「何かから逃げているだけなのに、どこに行くべきかと、人もよく問題をすり替える」

バズフィード・ジャパン アダプテーション・リポーター

Saki Mizorokiに連絡する メールアドレス:saki.mizoroki@buzzfeed.com.

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