プロ野球賭博問題で巨人の笠原元投手を逮捕 容疑となったのは

    揺れる球界

    プロ野球を揺るがす賭博問題で、逮捕者が出た。巨人の元投手・笠原将生容疑者(25)。高木京介投手(26)を1年間の失格処分とするなど、プロ野球は開幕前に関係者への処分を下していたが、笠原容疑者はなぜ今、逮捕されたのか。

    笠原容疑者は4月29日、知り合いで飲食店経営者の斉藤聡容疑者(38)とともに逮捕された。NHKなどによると、容疑は刑法186条の「賭博開帳図利」。賭博を自ら開いていたことを意味し、笠原容疑者は、斉藤容疑者が賭博を開くことを助けていた容疑がかけられている。

    笠原容疑者は2014〜2015年、チームメートだった松本竜也元投手と高木京介元投手に野球賭博のルールを説明したり、掛け金を集めたりした疑いが持たれている。

    笠原容疑者は昨年11月、日本プロフェッショナル野球組織(NPB)から無期失格処分を受けた。このNPBの報告書によると、2014年4月ごろから約半年間、プロ野球の10〜20試合の勝敗について、金銭をかけて賭博をした。

    また、2014年4月ごろから約1年半にわたって、高校野球の試合、麻雀やゴルフの勝敗についても、お金をかけて賭博をしたという。

    報道にも「興味本位だった」(週刊文春)と賭博を始めた経緯を告白。NHKには「2014年の春ごろに高校時代の先輩に誘われ」て、「名古屋のカジノ店」に行ったと話し、「その後も都内の店に3回くらい」通ったと明らかにしている。

    NPBはこれまで、笠原容疑者を含む巨人の3選手を無期失格にしている。一方で、今年3月には巨人の高木投手に1年間の失格処分を下した。

    3選手が無期失格だったのに対し、高木投手が1年間の失格処分で済んだのは「約10日間で賭けるのを止め」て、「自ら野球賭博常習者との関係を毅然として断つこととし、自己の行為を真摯に反省している」(報告書)からだ。

    プロ野球はこれらの処分を下したのち、3月25日に開幕した。しかし、今回、捜査のメスが入ったことで、さらなる関与者に関する証言などが出てくる可能性もある。

    笠原容疑者はNPBの調査委員会に対して、反社会的勢力との関係を否定していた。だが、警視庁が「野球賭博の背後に暴力団関係者が関与していた疑いも視野に捜査を進める」(読売新聞)との報道も出ている。

    UPDATE

    容疑の内容を追加しました。

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