二重国籍を求める英国会議員が相次ぐ なぜ?

    イギリスのおはなし

    イギリスの国会議員らが相次いで二重国籍を申請していると英Timesが伝えた。その数は2桁に上るという。

    Timesによると、EU離脱の国民投票で賛成派が上回った結果を受け、2桁の数の国会議員がアイルランド国籍を申請した。与野党をまたぎ上下両院にいるという。

    EU加盟国アイルランド国籍を持っていれば、EU域内を自由に移動したり、働いたりできる、と考えての動きとみられる。

    ただ、EU離脱後にどういったルールが英国民に適用されるかはまだ不透明なうえ、アイルランド国籍を取得してもこうした権利が保証されるかは不明だ。

    アイルランド国籍を取るには?

    アイルランドは移民を受け入れるため、比較的緩い国籍要件をとってきた。祖父母または両親のうち一人がアイルランド人であれば、国籍を取得する資格を持つ。

    毎日新聞によるとアイルランドの国籍取得資格があるイギリス人は600万人以上いるという。

    議員の二重国籍はOK

    イギリスは二重国籍者も国会議員になれる。そもそも、歴史的経緯からアイルランド国籍の人もなれる。

    国会議員になるには、18歳以上で、①イギリス ②旧植民地などからなるイギリス連邦の加盟国 ③アイルランド いずれかの国籍を持っていればいい。

    だが、二重国籍取得の動きに不快感を示す議員もいる。

    保守党のアンドリュー・ブリッジン議員はTimesに語る。「イギリス代表として選ばれた人々が外国人になりたいというなら、我々にとって背後から刺されるようなもの。(アイルランド国籍を取ったら)すぐに議員辞職するべきだと思う」

    一方、労働党のジゼラ・ スチュアート議員の反応は違う。同議員はドイツで生まれ、1990年代初頭にイギリス国籍を取得した。当時の法律は国会議員に二重国籍を認めていなかったのでドイツ国籍を喪失している。Timesにこう述べた。

    「非常に気になるが、受け入れるアイルランドの問題だと思う」