『幼稚園』4月号の付録「びょんびょんらーめん」が「シュールすぎる」とTwitterで話題になっています。
修復家・漆作家の河井菜摘さんが付録を撮影した動画をTwitterに投稿したところ、100万回以上再生され、4万5千を超える「いいね」が集まりました。
ギーギーと機械音を立てながら、宙に浮かんだ割り箸がラーメンの麺を上下させるわずか9秒の動画なのですが、これがクセになる面白さ。
「やばい!ほしい!」「買っちゃった!」「これ、地元のラーメン屋にある」などなど、大人たちから続々と感想が寄せられています。
小学館に聞いてみた
シュールすぎる付録は、一体どのようにして生まれたのでしょうか? BuzzFeedは小学館『幼稚園』編集部の大泉高志さんに取材しました。
「きっかけは、幸楽苑さん側から、付録コラボの話をいただきまして。ラーメンでふろくを考えることになりました」
「街で見る、ラーメン屋さんの動く看板が、手元にあったら面白いかな~と思っただけです笑。誰しもが見たことはあるけど、家には無いだろうと」
「幸楽苑さんに怒られるかなとも思いましたが、シャレのわかる会社さんで。企画をご快諾いただきました」
チャーシューを1枚ずつ撮影
こだわりポイントは、ラーメンを幸楽苑の商品そっくりにつくること。食材部分はすべて、実際の商品を撮影して使っているそうです。
「チャーシュー10枚を、1枚ずつ違うチャーシューで撮影したり。だって、まったく同じチャーシューは、2枚とありませんから笑」
「また、どんぶりの龍の絵を再現するために、幸楽苑さんで使われている現物をお借りして、イラストレーターさんに完コピで描いていただきました」
確かによく見ると、チャーシューの表情が1枚1枚違っています。まさか、そこまで手をかけていたとは!
シュールは細部に宿る。単なるウケ狙いにとどまらない丁寧なつくりこみがあればこそ、「大きな幼稚園児」たちをも魅了してしまうのかもしれません。
ネット上での反響については「ありがたいの一言です。動きが面白い付録なので、SNSで動画が拡散されたらいいな~くらいに思ってましたが、ここまでとは」と語ります。
「子どもの欲望に忠実に」
『幼稚園』と言えば、くら寿司と組んだ「かいてんずし つかみゲーム」(2018年9月号)を皮切りに、バンダイのガシャポン(10月号)やSEGAの「メダルおとしゲーム」(2019年2月号)など、企業とコラボした付録を次々とヒットさせています。
「子どもの欲望に忠実に、が鉄則です」
大泉さんは、付録をつくるうえでの哲学をこう明かします。
「ガシャポンの付録は、近所のスーパーのガシャポン筐体の前で、『1回だけ!1回だけ!」と泣き叫ぶ子vs無視して連れ帰ろうとする母、の戦いを見たのがきっかけです。家で思う存分、ガシャポンできたら嬉しいだろうな~と」
「メダルおとしゲームも、普通ならやらせてもらえないですよね。やらせてもらえても、100円で5枚だけとか。それもあっという間に飲み込まれて終了」
「それが50枚もメダルが付いて、家でやり放題!となれば、これまた嬉しいだろうなと。なんならお父さんも夢中になるかも」
SNSの話題性も意識
「子どもの欲望」をダイレクトに刺激する企画がウケ、10月号の「ガシャポン×バンダイ」と2月号の「メダルおとしゲーム×セガ」は、各10万部が1〜2週間で完売しました。
子どもの心理と同時に、編集部が意識しているのがSNSでの話題性。再現度の高い付録は、過去にも度々ネット上で拡散されてきました。
「面白い付録を付ければ、読者さんにシェアしていただけるので、思わず動画が撮りたくなる付録を目指しています。そのなかでも、今月号の『びょんびょんらーめん』は、過去イチでバカバカしいと自負しています笑」
最新号の「びょんびょんらーめん」も、バズの勢いは過去の完売号に負けず劣らずということなので、ゲットしたい人は本屋さんに急いだ方がいいかもしれません。
次号の付録は…
話題の付録を連発する『幼稚園』。次はどんな付録で驚かせてくれるのでしょうか?
「5月号(4月1日発売)では、タカラトミーアーツさんとのコラボで『ガチャマシン』を付けます。本物そっくりの筐体ができあがります」
「10月号『ガシャポン』を完売で買えなかった方がいらっしゃるので、第2弾です。お詫びを込めて、カプセルも2個増量の10個です」