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東京にも「夜の市長」を創設へ Zeebraが準備委員会の設立を宣言

風営法改正で開かれたナイトカルチャーの可能性。アーティストたちが踏み出した「次の一歩」

日本にも「夜の市長」が誕生することになりそうだ。ラッパーで渋谷区観光大使ナイトアンバサダーを務めるZeebraさんらが12月1日、「東京ナイトメイヤー」の発足準備委員会設立を宣言した。

「東京ナイトメイヤー」の発足準備委員会設立を宣言したZeebraさん
Ryosuke Kamba / BuzzFeed

「東京ナイトメイヤー」の発足準備委員会設立を宣言したZeebraさん

ナイトメイヤーとは、クラブやバー、レストランなど、夜の文化・経済の増進を図る象徴的な人物・組織のこと。ヨーロッパ各国の都市に存在し、最近ではニューヨークでも設立の動きがある。

夜の世界の窓口として情報や要望を集約し、「昼」の行政や政治へと働きかける。また逆に、行政の意見や懸念を関係者と共有し、問題解決へ向けて調整する役割も果たす。

ナイトライフにまつわる法規制や、夜間交通、騒音・治安対策、調査・研究から政策提言まで、活動内容は多岐にわたる。

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ナイトメイヤーについて解説した「クラブとクラブカルチャーを守る会」の動画

風営法は変わった、次はどうする

今回、東京版のナイトメイヤー創設へ向けて動き出したのは、Zeebraさんやラッパーのダースレイダーさん、DJのWatusiさんQ'HEYさん、近田和生さんらアーティストが参画する「クラブとクラブカルチャーを守る会(C4)」だ。

C4は、クラブなど深夜のダンス営業を禁じた風俗営業法の改正運動の一翼を担い、マナー啓発や清掃活動などを行ってきた。

昨年6月に改正風営法が施行され、朝5時までのクラブ営業が条件付きで解禁されたことを受け、「次の一歩」としてナイトメイヤー制度の実現に乗り出した。

「クラブとクラブカルチャーを守る会」の早朝清掃活動@渋谷に随行取材。本日は「福岡クラブカルチャー向上委員会」なども歩調を合わせ、清掃活動を実施するそうです。参加者のみなさんのすがすがしい笑顔が印象的でした。

渋谷で清掃活動に取り組む「クラブとクラブカルチャーを守る会」のメンバー

「みんなで話し合って、より良い夜を」

Zeebraさんは12月1日に東京・渋谷のクラブで開かれたパーティーで、こうあいさつした。

「東京は日本のリーディング・シティー。安心・安全を確保しながらも、さらにカルチャーを盛り上げていきたい」

「元々アジアでもナイトカルチャーは一番だったが、最近はほかの都市に持っていかれている。もう一度、(活力を)取り戻せないか」

「官民の協力が大切だが、まずは民間からスタートしようということで、ナイトメイヤーの設立準備委員会を立ち上げました。みんなで話し合いながら、より良い夜をつくっていけたら」

パーティーには、アムステルダムのナイトメイヤーのミリク・ミランさんや、ベルリンのクラブコミッションのルッツ・ライシェンリングさん、自民党のナイトタイムエコノミー議員連盟の事務局長を務める秋元司衆院議員、渋谷区の長谷部健区長らも参加。

ミランさんは「2020年の東京五輪という大きな変革の前にナイトメイヤーをしっかりと準備して、東京の潜在的な力や存在感を世界で発揮してほしい」とエールを送った。

左からZeebraさん、渋谷区の長谷部健区長、ベルリンのクラブコミッションのルッツ・ライシェンリングさん、アムステルダムのナイトメイヤーのミリク・ミランさん
Ryosuke Kamba / BuzzFeed

左からZeebraさん、渋谷区の長谷部健区長、ベルリンのクラブコミッションのルッツ・ライシェンリングさん、アムステルダムのナイトメイヤーのミリク・ミランさん

「民間による選挙」を想定

一口にナイトメイヤーといっても、運営体制は国や都市によって異なる。

民間団体や財団が主体となることもあれば、行政が担うケースもある。選出方法も、民間の選挙や行政による任命など多種多様だ。

準備委員会としてはどのような形態をイメージしているのか。BuzzFeed NewsはZeebraさんに聞いた。

「民間による選挙を考えています。まずは民間で始めて、いずれは公的なサポートも受けられれば。10年、15年先を見据えてシステムを整備して行きたいですね」

「日本は夜間に営業している飲食店も多い。クラブに限らず、様々な分野の方々の力が必要です」

左からベルリンのクラブコミッションのルッツ・ライシェンリングさん、アムステルダムのナイトメイヤーのミリク・ミランさん、Zeebraさん
Ryosuke Kamba / BuzzFeed

左からベルリンのクラブコミッションのルッツ・ライシェンリングさん、アムステルダムのナイトメイヤーのミリク・ミランさん、Zeebraさん

「夜の国連」の重要性

2016年4月には、世界28都市の関係者が参加する第1回「ナイトメイヤー・サミット」がアムステルダムで開かれた。

以降、ベルリンやテルアビブでも開催され、ZeebraさんをはじめとするC4のメンバーたちは、その度に手弁当で出席してきた。

「ナイトメイヤー・サミットはいわば『夜の国連』。各国のナイトメイヤーのネットワークとつながることで、国内で不合理な規制に直面しても『世界のスタンダードではこうですよ』と言うことができる」

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第1回ナイトメイヤー・サミットでスピーチするZeebraさん

世界のナイトメイヤーたちには若手のクラブ関係者が多い。都市によっては、行政の任命を受けて就任したナイトメイヤーが、そうしたネットワークとうまく交流を持てないケースもあるという。

せっかくナイトメイヤー職を創設しても、国際的な人脈や情報網を活かしきれないのは損失だ。また時には、行政との距離感や独立性も重要になってくる。Zeebraさんが「民間主導」を強調するのには、そんな背景もある。

パーティーの最後に、Zeebraさんはこう呼びかけた。

「ナイトメイヤー発足には皆さんの力が絶対に必要。選挙などをやる時には、一緒になって盛り上がってほしい。立候補や推薦も待っています」

BuzzFeed JapanNews


Ryosuke Kambaに連絡する メールアドレス:ryosuke.kamba@buzzfeed.com.

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