観客動員が1500万人を超えた『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』。
LiSAが歌う主題歌『炎(ほむら)』も映画とともに大ヒットし、YouTubeで5000万回以上再生されている。
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LiSA 『炎』 -MUSiC CLiP-
快進撃を続ける彼女が《強くなれる理由を知った》瞬間、そして《負ける意味を知った》出来事とは?
テレビアニメ版の主題歌『紅蓮華』の歌詞になぞらえ、波乱に満ちた軌跡を振り返った。
「無償の愛」で迎えられ

――『紅蓮華』の歌詞にちなんでお伺いします。LiSAさんが《強くなれる理由を知った》瞬間は?
私はアニメの劇中バンドの歌唱担当として初めてアニメと関わったんですけど、私のことなんて誰も知らないはずなのに、「自分の好きな作品にかかわるシンガー」として、みんなが無償の愛で受け入れてくれたんです。
「誰かのために頑張りたい」「この人たちに楽しんでほしい」「作品の楽しさをもっと知ってほしい」という気持ちで私の活動が始まりました。
誰かのために

――デビュー前はメロコア、パンク系の音楽に打ち込んでいた時期もあったと思いますが、アニメの世界で受け入れてもらえたことがひとつの転機になったと。
そうですね。それまでは「デビューしたい!」「自分自身のやりたい音楽をやるんだ」「誰かに受け止めてほしい」という気持ちで音楽をやってたんですけど。
デビューした時に「誰かのために頑張りたい」と思えた。それが《強くなれる理由》だったんだなと思います。
――(主人公の)炭治郎と一緒だ!
そうですね(笑)
初めての武道館、最悪の挫折
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LiSA 『紅蓮華』 -MUSiC CLiP YouTube EDIT ver.-
――それでは、LiSAさんが《負ける意味を知った》出来事を教えてください。
デビューして一番最初に目指した頂上が武道館だったのですが、初めて立った武道館のステージで思うようにライブができなかったことは、すごく大きな挫折でしたね。
――2014年1月3日の武道館ライブですね。声が出なくなってしまったとか。
はい。高音が出せなくなって…。
私の楽曲は、テンポが速くて音の高いものが多いんです。高音部分で地声を張って、スピーディーにこなしていくというのが私の武器なのに、それができなくなってしまって…。
なんとか裏声で歌うのが精一杯でした。
待っている人がいる

――大きな挫折から、どのように立ち直っていったのでしょう。
自分が乗り越えられた理由って何だろう?と考えた時に、それでも待っていてくれる人がいる、一緒に進もうとしてくれる仲間がいるっていうことが、すごく大きかったんです。
失ったからこそ、得られたものもあったのかなと思います。

〈LiSA〉 6月24日生まれ。岐阜県出身。2011年、ミニアルバム『Letters to U』でソロデビュー。数々のアニメ主題歌を手がけ、2019年末にはアニメ『鬼滅の刃』の主題歌『紅蓮華』で、NHK紅白歌合戦出場を果たした。今年10月14日に最新アルバム『LEO-NiNE』をリリース。同時リリースのシングル『炎』は、『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の主題歌として大ヒット。各種音楽チャートで1位を飾り、55冠を達成した。