「あの時、離婚してよかった」とLiLiCoが振り返る理由

    映画コメンテーターのLiLiCoさんが、独自の結婚観や夫で歌謡グループ「純烈」の小田井涼平さんとの関係を語った。

    「コロナ離婚、いいんじゃない?」。LiLiCoさんは事もなげに言う。

    「専業主婦の4人に1 人が夫のテレワークを望んでいない」という明治安田生命の調査結果が発表され、「コロナ離婚」という言葉もメディアをにぎわせている。

    国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2020」のアンバサダーを務めるLiLiCoさんが、独自の結婚観や夫で歌謡グループ「純烈」の小田井涼平さんとの関係を語った。

    そこまでの関係

    ――コロナ離婚の話題がニュースなどで盛んに取り沙汰されています。

    コロナ離婚、いいんじゃない? 一緒にいて耐えられないんだったら、そこまでの関係ということだから。

    仕事に行く前に「いってらっしゃい、ああ寂しいな」と思っていたのが、逆になっているわけでしょ。そういう風に思うんだったら、しょうがないよ。

    昔、日本では離婚がよくないこととされてましたけど、2020年のいまはタブーでもなんでもないので。お互いに飽きてしまったのなら、離婚してもいいんじゃないかな。

    離婚したくなければ、別の部屋にいればいいし。私たちも別にずっと一緒に座ってるわけではなくて、主人は主人でレゴやったりとか。

    《※1明治安田生命のアンケート調査に対し、テレワークをした夫を持つ専業主婦の25.0%が、夫にテレワークを「⾏なってほしくない」と回答。理由は「夫がずっと家にいることで家庭不和になり子どもに悪影響」(36.4%)、「夫が子育てと仕事の時間のバランスが取れていない」 (27.3%)など》

    《※2厚生労働省の人口動態統計速報によると、今年1〜6月の離婚は10万122件で前年同期の11万1045件から9.8%減少。巷間言われているような「コロナ離婚」の実態は、いまのところ表面化していない。共同通信の取材に対して、厚労省の担当者は「社会全体が活動を自粛しており、落ち着いてから手続きしようと考える夫婦も多いのではないか」と説明している》

    自分が自分を幸せにする

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    ――レゴですか?

    はい。フィギュアが大好きでいじったりしてるのね。私は私で、DVDで映画を見たり。

    コロナでこういう状況になったら、夫婦の関係はどっちかだと思うんですよ。すごく好きになるか、すごく嫌いになって離婚するか。

    私はとても幸せですけど、主人と会う前も幸せだったし。「自分が自分の人生を幸せにする」っていう人間なので。

    そういう意味ではとてもドライです。離婚した経験もありますが、考えれば考えるほど、あの時、離婚してよかったなと思いますもん。

    別れる時とか離婚の時は、顔も見たくないです。見たくないんだけれども、1回見ないと進まないし、1回見たら1回で終わるんですよ。

    話題は何でもいい

    ――幸せを決めるのは自分自身。潔くていいですね。あえて夫婦円満の秘訣をあげるとすると?

    夫婦の間で何を話せばいいかわからないっていう人、多いと思うんです。

    もしかしたら男性の方は「何か面白いことを言わないと、しゃべる権利がない」って考えすぎちゃうのかもしれない。

    でも、話題は何だっていい。「信号待ちしてたら、超ヘンな人がいた」とか。そんな話でも「ああ、そうやって生きてるんだな」って思うし。

    ディナー中の衝撃事件

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    ――たとえ他愛のない内容でも。

    いいんですよ、全然。

    お互い忙しくて、コロナ前は一緒にディナーを食べるのも1年に5回ぐらいだった。すれ違い夫婦(笑) でも、それがまた居心地よかったりもして。

    それで自粛生活が始まった最初の日、朝昼晩と一緒にご飯食べることになったら、主人が緊張しちゃって。

    ディナーの時に飲めないお酒を飲み出したんです。何を話したらいいかわからないけど、飲んだらしゃべれる、みたいな。そうしたら酔っ払って「ソファで休んでいい?」って。

    ――かわいい。

    あの人、そのまま2時間寝てたんですよ!

    本人は「15分寝た」って言ってたけど。起きてきたら何を話そう…と思ってたのに、ずーっと起きてこなかったんです。

    ひとことの感謝があれば

    ――疲れてたんでしょうね、きっと(笑)

    それからウチの主人は、ピアスを買ってきてくれたりするんですね。私が一生懸命、仕事をしながら家事をしていることへの感謝の気持ちらしいんだけど。

    テレビの取材とかで「いつもはあまり、言葉で言わないんです。だから、今日はあえて言います!」みたいなことを話していて。

    いやいや、言葉でいいんだよ! みたいな。ひとこと「ありがとう」でいいんですよね。

    ゴミ捨て事件

    ――モノじゃなくても。

    耳いくつある? そんなにたくさんもらっても、全部はつけられない。「ありがとうね」「いつもおいしいよ」って言ってもらえたら、それだけで感動しますもん。

    私はいま料理に凝ってるんですけど、すごくきれいに飾り付けて出した時に全然反応がないと、イラッとして「リアクションないの!?」って言いますね。

    たぶんみんな、このステイホームに飽きてきてるんだと思う。

    主人も最初のうちはゴミ捨てとかしてくれたんですよ。でも、昨日なんか「ゴミ出しておいて」と頼んだのに、私が帰ってきたらそのまま置いてあったの。

    ブラックLiLiCo

    ――あちゃー。それはイラッとしますね。

    そう。でも、そういう時は「ありがとね、ゴミ出してくれて」って言うのよ。

    ――出してないのに(笑)

    ブラックLiLiCo。ブラックまゆみでも、ブラックゆみこでもいいけど、どんどんやった方がいいですよ。

    あとは、どこにも同じ家族はないっていうこと。

    どんなに酔っ払っても給料の話はしちゃいけない。「もっと稼いでこいよ」っていうのが一番ダメな言葉だと思います。これは男性でも、女性でも。

    宝物を割ってしまった夫

    ――小田井さんってシュッとしたイメージがありましたが、素顔は意外にチャーミングな方なんですね。

    私、シャンパンタワーのグラスにハマっていて、すごくお気に入りのものがあったんです。それを夫が全部割っちゃったんですね。

    でも、その時に「ごめんなさい」じゃなくて、「後ろにあった絵が滑って、こういう風になったんだよ」って説明するわけ。いや、見た、見た。それは見てたよって(笑)

    ――あはは。「ごめんね」の前に説明がきちゃったと。

    そんな状況説明はいらないっていう。

    「ごめん、怪我してない?」って片付けて、ハグするだけでいいのに。どうしてそうなっちゃうんだろう。

    無意味なプライド、根拠ある誇り

    ――意地やプライドが邪魔して素直に言い出せない、という人は結構いるかもしれません。

    意地とかプライドとか、本当にいらない要素。いいものがひとつも生まれないんですよ。

    たとえば仕事をこれだけ頑張って何かを成し遂げましたっていうのは、誇りに思ってもいいと思うのね。でも、何にもないのにプライドだけ持ってることほど醜いことはないです。

    これは女性もそう。彼氏が「もう愛してない」と言ってきたとして、「いやー! 別れたくない」なんて悲劇のヒロイン気取りはダメ。

    冷静に考えて。愛されていない男と一緒にいたいですか? その時は傷つくけど、次の恋いけますから。

    会話にオチはいらない

    ――変に意地を張らず、ありのまま素直にいることが大切だと。

    主人とは、そういう何でもない会話を意識せずよくします。窓の外にある木を眺めて、全然動いてないと「無風だね〜」とか。

    何でもいいのよ。バラエティー番組じゃないんだから、会話にオチなんていらない。付き合いたてのころは「すごい、鳥が飛んでる」「本当だ!」とか、言ってたわけでしょ。

    それでいいの。普通の会話でいいんですよ。

    短編映画で思いをシェア

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    Short Shorts Film Festival & Asia channel / Via youtu.be

    ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2020 告知クリップ

    ――LiLiCoさんは9月16〜27日に開催される「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア」のアンバサダーを務めています。夫婦やカップルで短編映画を見るのはアリですか?

    私自身は、デートでは絶対に映画を見ないんですよ。相手としゃべりたいので、2時間も黙ったままでいられない(笑) ただ、それは私の話です。

    これから何話そう?っていうカップルが、一緒に映画を見て笑い合ったりするのはすごくいいと思う。

    今年はオンラインでも開催されるから、移動中の電車とかでも見られちゃう。ショートフィルムだったら、本数もいっぱい見られるでしょ。

    家族愛を描いた作品を見て「ああ、こういう家族をつくりたいね」って話したり、ホラーを見て「怖い!」って抱きついたり…。

    哲学的な内容で「全然、わからなかった。どういう意味だったんだろうね?」だっていい。映画から会話が生まれるのはいいですよね。

    UPDATE

    明治安田生命のアンケート調査の詳細を補足しました。

    〈LiLiCo〉 1970年生まれ。スウェーデン出身。映画コメンテーター、俳優、歌手、プロレスラーなど幅広い分野で活躍中。著書に『遅咲きも晩婚もHappyに変えて 北欧マインドの暮らし』(講談社)など。アンバサダーを務める国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2020」が、9月16〜27日にオンライン会場や都内の複数会場で開催予定。オンラインではすでに先行配信中

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