「大坂なおみに必要なものは?」「漂白剤」――。
そんな掛け合いをライブで披露したとして、お笑いコンビ「Aマッソ」に批判が殺到し、所属事務所のワタナベエンターテインメントが謝罪した。
騒動の余波で、吉本興業所属のコンビ「金属バット」による「黒人が触ったもの座れるか!」というネタ中の発言にも、批判や疑問の声が寄せられている。
「アメトーーク!」にも出演

金属バットは、2006年4月に結成された、小林圭輔さんと友保隼平さんの2人組。昨年の「M-1グランプリ」では準決勝に進出した実力派で、今年4月には人気番組「アメトーーク!」にも出演している。
問題となったネタは、昨年12月16日に東京・新宿のルミネtheよしもとであった「余韻」というイベントで披露されたもの。
Amazon Prime Videoの「大阪チャンネルセレクト」で、ライブの様子を閲覧できるほか、YouTubeにも違法アップロードしたとみられる動画があり、後者は26万回以上再生されている。
「日本人はイエローモンキー」

ボケの小林さんが架空の早口言葉をとぼけた口調で読み上げ、ツッコミの友保さんが合いの手を入れる構成。「人種」ネタが飛び出すのは終盤だ。
「生麦を食べるのは人間にあらず。生米を食べるのは人間にあらず。生卵を食べるのは日本人特有の文化だ。すなわち日本人は人間にあらず。イエローモンキーなのである」(小林さん)
「遅いわ。スピードとかじゃない。わざとやもん。朗読やったもん、いまのテンポ。でなあ、また一個増えたわ。差別が入ったわ。あんたムチャクチャやわ」(友保さん)
「入ってない。そんな意味はないから」(小林さん)
「意味しかなかったわ。名誉白人ぶってるもん、お前」(友保さん)
「黒人に運ばせてよ」

ネタの最後、小林さんが「キレイな早口言葉言おか。キレイなみんな幸せになる早口言葉。黒人、白人、黄色人種。みんな合わせて地球人」と言うと、友保さんがこんな風に返す。
「いいねえ。黒人も白人も黄色人種もね、差別なく、地球っていうひとつの星に住んでんねんから。地球人。差別なくキレイに生きよ。いいこと言ってんのよ、本当に。山田くん、ちょっと。コバちゃんに座布団40キロ持ってきて。黒人に運ばせてよ」
小林さんの「なんで黒人に運ばすの。なんで黒人に運ばすのよ、お前。黒人が触ったもの座れるか!」という叫びに、友保さんが「おいポンポン!」とツッコんで、金属バットは正味6分半ほどの出番を終える。
「日本のお笑い死ぬよ」
「Aマッソがダメでどうして金属バットがいいのか」って意見を目にしたけど、金属バットもダメに決まってるじゃん。さすがにもうやらないだろうけど、あんなネタやってたら日本のお笑い死ぬよ
金属バットのネタをめぐり、Twitterでは「金属バットは白人黒人黄色人種をみな平等に差別している」「根本的な所で差別意識が抜けきってない奴に限って歯が浮くような綺麗事言うよな〜っていう痛烈な風刺」といった意見の一方、疑問視する声が相次いでいる。
「金属バットと一緒にしないで!勢が一定数いるけど、はっきり言って似たようなもん。金属バットの方がひどい」
「Aマッソもダメだし、金属バットだってダメなんだよ」
映画・音楽ジャーナリストの宇野維正さんは9月25日、Twitterで次のように批判した。
《「Aマッソがダメでどうして金属バットがいいのか」って意見を目にしたけど、金属バットもダメに決まってるじゃん。さすがにもうやらないだろうけど、あんなネタやってたら日本のお笑い死ぬよ》
「KKKが炎上してまう」

「金属バット小林」を名乗るTwitterアカウントは同日午後、「Aマッソの流れ弾でKKKが炎上してまう」と、白人至上主義団体「KKK」を思わせる投稿をしている。
BuzzFeedは金属バットの所属する吉本興業に対し、ネタ中の発言に対する見解や今後の対応などを問い合わせている。回答があり次第、追記する。