野鳥のヒナは拾っちゃダメ! 人間で言えば「誘拐」です

    「保護と愛護は違う。心を鬼にして見守って」。日本鳥類保護連盟はこう呼びかけています

    「ヒナを拾わないで!!」と呼びかけるポスターがTwitterで話題を呼んでいます。

    すみません、もう一回拡散していただけませんか。あっちこっちで巣立ちヒナが拾われています…。

    Twitterユーザーの「あお」さんが投稿でポスターの拡散を呼びかけると、5万回以上リツイートされ、3万8千を超える「いいね」が集まりました。

    このポスターは日本鳥類保護連盟、日本野鳥の会、NPO法人野生動物救護獣医師協会が環境省の後援を受けて進めるキャンペーンの一環。

    野鳥のヒナは1羽でいるように見えても近くに親鳥がおり、人間が拾うことで鳥の「子育て」の邪魔になってしまうことも考えられます。

    親鳥と引き離されたヒナが衰弱死する可能性もあることから、ポスターでは「見つけてもそのままに!」「みまもって、野鳥の子そだて」と訴えています。

    モト冬樹さんの騒動で関心

    BuzzFeedは、日本鳥類保護連盟の普及啓発室長、岡安栄作さんにキャンペーンの狙いなどを聞きました。

    ――このキャンペーンはいつごろ始まったのでしょう。

    20年以上やっています。昨年はモト冬樹さんの一件もあり、非常に大きな反響がありました。

    (※モトさんがスズメを飼育していることをブログで報告。賛否両論の声があがった)

    野鳥を捕まえてはいけない、ということを知らない人はまだ多いので、Twitterで情報を拡散していただいて非常にありがたいです。

    「誘拐」と一緒

    ――改めて、なぜヒナを拾ってはいけないのですか。

    人間はよかれと思って善意でヒナを拾いますが、鳥にとっては大きな迷惑。親鳥から引き離されると弱って死んでしまうこともあります。

    厳しい言葉で言えば「誘拐」と一緒なんです。

    ペットではなく野生動物ですから、時にはヒナがタカやヘビ、カエルに襲われることもあります。でもそれは自然の摂理。仕方のないことです。

    保護と愛護は違う

    ――ついつい、かわいそうだと思ってしまいがちですが…。

    鳥獣保護法では、許可なく鳥獣を捕獲することは禁じられています。

    (※違反者には、1年以下の懲役か100万円以下の罰金が科される)

    「保護」と「愛護」は違います。

    かわいそうだとヒナを持ち帰ることが「愛護」だとすれば、本当の「保護」は親鳥のもとに返すこと。心を鬼にして見守ってください。