「母ちゃんにもクズって言われて…」大ヒット歌手が《クズになった》瞬間

    サブスクでの総再生数が1億回を突破した瑛人の『香水』。《でも見てよ今の僕を クズになった僕を》という歌詞には、瑛人自身の恋愛体験が色濃く反映されているという。

    《でも見てよ今の僕を クズになった僕を》

    《別に君を求めてないけど 横にいられると思い出す》

    自己嫌悪と強がりが入り混じった歌詞には、ざらっとしたリアルな質感がある。シンガーソングライター、瑛人の『香水』の一節だ。

    「本当にクズだなと思う時期があった」と自嘲気味に笑う瑛人が、作品に投影されているという自身の失恋体験を明かした。

    磨き上げたフレーズ

    ――《でも見てよ今の僕を クズになった僕を》という歌詞に、いい意味での「引っ掛かり」を感じました。

    最初のセッションでは、《でも見てよ今ただのクズになった 人を傷つけてまた泣かせても何も感じ取れないんだ♪だったんです。

    (音楽学校の講師でアーティストの)ルンヒャンさんのところに持っていったら、「ここをもっと短くしてみて」とアドバイスをもらって。

    《夜中にいきなりさ いつ空いてるのってLINE♪》も、最初は「電話」だったけど、自分で「LINE」に直した。

    俺は曲をつくってるうちにゴチャゴチャになっちゃうので、そこをルンヒャンさんがまとめてくれるっていうか。

    「最悪だ、俺」

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    瑛人 / Via youtu.be

    香水 / 瑛人 (Official Music Video)

    ――作曲過程のバージョンも克明に記憶されているんですね。

    結構、覚えてます。

    ――そうやって磨き上げてできたのが、今の『香水』だと。歌詞にはご自身の失恋体験も反映されているとか?

    そうです、そうです。

    本当に、ちょっとクズだなと思う時期があったので(笑)ちょうど曲をつくったころに。

    「最悪だ、俺」みたいな。この曲で歌ってる元彼女について、「俺、何であんなひどいことしたんだろうな」とか、別れた3カ月後ぐらいに気づきだして。

    元カノや友達の言葉

    ――だからあんなにリアルなんですね。《クズになった僕を》っていうフレーズは、街で流れているようなヒット曲ではあまり聴かないので、ハッとさせられます。

    クズ…。ちょうどその時、いろんな人にクズって言われてたんですよ。

    だからセッションの時に出たんじゃないかな。

    友達にも元彼女にもクズって言われて。あげく、遊んでた女の子にまでクズって言われて。母ちゃんにも言われた。

    ――お母さんにまで(笑)

    その時、やたらクズって言われてたから。《クズになった僕を》って出たんだと思います。

    クズは卒業?

    ――めっちゃ面白い。

    でも、最近は言われないです。

    ――もうクズじゃなくなったんですね。

    はい。

    ――今後の展望、抱負を伺えますか。

    自分のワンマンライブをしたことがないので、してみたいです。

    あとは、アルバムをつくりたい。ミュージックビデオでかわいい女の子と共演してみたい(笑)

    ――動機が不純すぎる(笑) やっぱりクズじゃないですか!

    あはは。

    聴いてくれている人に届くように、もっとハッピーにできるように、いろんな曲をつくっていきたいと思っております。

    〈瑛人 えいと〉 1997 年 6 月 3 日、横浜生まれ。男 3 人兄弟の末っ子として、野球に明け暮れる少年時代を過ごす。高校卒業後、ダンスで自己表現する友人の姿に刺激を受け、シンガーソングライターを志して音楽学校に入学。19歳から曲を書き始め、2019 年 4 月、21歳で初めての楽曲『香水』EPを配信リリース。翌2020年春、SNSに投稿された様々な『香水』のカバー動画から人気に火がつき、オリコン、Billboard JAPAN、LINE MUSIC、Spotifyなど各種音楽チャートで1位を獲得。サブスクリプションサービスの総再生回数は1億回、YouTubeの再生数は8000万回を超える。