便利!?お皿に浮かぶ「スプーンの浮き輪」。その作品に込められた思いは?

    画期的で便利そうに見える「スプーンの浮き輪」。ですが、作品の真髄は実用性ではありませんでした。

    スープを飲むときに小さなスプーンを使っていたら、からんと落ちて、お皿の底に沈んでしまった…。そんな経験はありませんか?

    スプーンが溺れてしまわないように発明された「スプーンの浮き輪」が、Twitterで2000リツイート、1.3万いいねと話題を呼んでいます(5月26日時点)。

    それが、こちらの作品です。

    牛乳に浮かんだ浮き輪が、スプーンを支えているように見えます。遊び心が感じられる発想です!

    だけど、この浮き輪には秘密があるんです。

    この作品を作ったのは、美術大学でデザインを学んでいるという有(@yuu99jp7)さん。

    お話を伺ってみると、この浮き輪は木材でできており、実際には浮かないといいます。

    浮き輪の下に土台を作り、沈まないよう工夫して写真を撮っていたのです。

    「画期的」という声もツイートに寄せられていますが、実際には機能しません。製品化する場合には、様々な問題があると有さんは考えています。

    有さんにとってこの浮き輪は「あくまで大喜利的な作品」。実用性などは気にせず、気楽な気持ちで見てほしいといいます。

    「ドラえもんの道具の様にこんな物があったらいいな、もしこんな物があったら面白いだろう、と言う発想で作っている」

    便利さ?実用性?「ものの魅力ってなんだろう?」

    このような考えが有さんに生まれたのは、最近のことでした。

    以前までの有さんは、ものを作る上では便利さや機能が全てだと考えていたといいます。

    「ものを作っていくうちに、『ものの魅力ってなんだろう?』と考え始めたのです。

    人がものを見て少しクスッと笑ったり、かわいいと感じたり、面白いと思ったり。

    そういった感情ってとても大事だと思うのです。

    機能的なものや便利なものだけでは疲れてしまうと思うので」

    有さんは笑いながら話します。

    今の有さんが作品を作る上で思うのは「物の面白さを形にしてみよう」ということ。

    「これからも自分にも皆様にも面白いと思える作品を作っていくので宜しくお願いいたします」