京都のたこ焼き屋さんが、新型コロナの影響を受けて閉店することを決めた。
その店長が6月9日にTwitterに投稿したメッセージが、大きな反響を呼び続けている。
投稿者の御科さん(@takotenishell)は「コロナ禍で飲食店が潰れると言われていたが、通常通り営業しているじゃないか」と感じている人が多いのでは、と指摘する。
そのうえで、こう投稿した。
コロナ自粛でお休みしていた3月~5月に「もう駄目だ~、閉めよう」と決められたお店が閉まるのは、本当にこれからなんです。
辞めると決意しても、多くの店主さんは、即座にそのことをお客さんには伝えないと自分は思います。
胸中では閉めることをもう決めているけど、笑顔で「店長ここ潰れなくてよかったね!」「いや~補助金も出たしなんとか生き延びましたわ~」とか会話されてる店主さん、絶対にいると思います。
こうしたメッセージは、画像2枚分に及んだ。
閉店を決意し、知ってもらいたかったこと
御科さんが店長を勤めるのは、京都のたこ焼き居酒屋「京乃雫」だ。6月28日に閉店する予定だという。
オープンしたのは2019年10月。イベントなどが増える春が近づくにつれ、だんだんと客数は増えるだろうと期待していた。
だが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、お客さんの増加を見込めなかった。3月は1日に0~3人程度に留まってしまったという。
さらに京都府では4月18日に緊急事態宣言に伴う自粛要請が出た。御科さんはこれに応じ、店の存続を諦めることにした。
そうした状況を経て、多くの人に伝えたいと感じたことがあった。
新型コロナは完全に収束しておらず、落ち着いてからお気に入りのお店に行こうと考えるのは、当たり前のこと。
だがそう思っていたお店は「いざ行こう」とした時になくなっているかもしれない、ということだ。
「今の飲食はその可能性がとても高い状況です。それだけをわかってもらいたくて書きました」
「お店が潰れてあとから後悔するよりは、みんな今のうちに行って欲しい、という気持ちです」
お店側はどんな状況なのか
御科さんのツイートからは、経営する側からの視点が伝わってくる。
閉店すると決めても、大家との契約上すぐには撤退できず、数ヶ月分の家賃が発生する。
そのため現時点では営業していても、しばらくした後に閉店している可能性がある。
御科さんも同様の状況だった。「お店側のそういう実情を知らない方が多いのではないか」と話す。
また、融資を受けることを選んだお店については「延命したものの、飲食の未来はしばらく暗いのは明白で、不安でしょうがないのでは」と想像する。
みんな後悔しないように
ツイートは6月26日現在で3.4万リツイート、4.4万いいねを集めた。
反響について、御科さんはこう話した。
「一人でも多くの方に読んでもらいたかったので嬉しいです」
「みんな後悔しないように願います」