「ぽっちゃりキャラ」ってどんなキャラ?
「太ってるひとは大食い」、「女の子はピンクが好き」、「細い人は少食」…外見からイメージされてしまうキャラクターがあります。
ですが、「こういう人はこんなキャラ」なんて都合のいい物語はないはず。人それぞれの性格があります。
それでもイメージに合わない人をいじる文化があったり、その影響で「自分のキャラじゃないから」となにかを諦めたりする人がいます。
ぽっちゃりしている自分を否定していた経験から、イメージについて考えた漫画を紹介します。
作者は「プラスサイズ」「ボディポジティブ」という考え方があるということを、体型に悩む人たちに向けて発信しているharaさん(@hara_atsume)です。
ボディポジティブとは、これまで理想とされてきた体型や見た目に自分を当てはめようとするのではなく、自分自身の体型を好きになり、ポジティブに受け入れるための考え方や行動のことです。
作られたイメージの怖さ
今回紹介した漫画では、ドラマやアニメ、漫画といったメディアを通して、外見とキャラクター性が結び付けられてしまうことに視点をあてています。
この見た目はこういうキャラっぽい…そうしたイメージは「どうしても現実と混同してしまうことが多いと思う」といいます。
haraさん自身は、イメージに当てはまらない自分について、ただただ恥ずかしく思っていたという時期がありました。
「自分の希望とか選びたいものごとよりも、それを選ぶことで周りからどう思われるかを優先しがちでした。今もまだ、ちょっとそういう部分はある気がします」
ですが「自分の意思と関係なく『本当はこうしたいけど、私のキャラには合ってないから』と、どんどん自分の選択肢を狭めてしまうのって、とてもしんどいことだと思います」
「完全になくすことは難しくても、『あ、もしかしたら今、実在しないイメージにとらわれているかも…』と気づくことができたら、それだけでも少し心の持ちようが変わるんじゃないかなと思っています」
「プラスサイズ」「ボディポジティブ」を知ってから
haraさんの考え方の変化のきっかけには「プラスサイズ」や「ボディポジティブ」という言葉との出会いがありました。
「太ってても自分自身のことを好きでいい」と肯定できるようになると同時に、「いかに今まで自分のことを好きになっちゃいけないと思い込んでいたか」という気がついたといいます。
それがとても大きな衝撃であり、haraさんにとって一番の変化でした。
「肯定されることで、そこではじめて否定的な感情の大きさに気づくことがあるんだ…!と驚きました」
ボディポジティブについて考えられる、haraさんの漫画たち
言葉たちに出会っても、すぐに自分の身体を好きになることができたわけではありません。はじめは、どこか違う世界の話に聞こえた部分もあったといいます。
haraさんは「“自分の身体を好きでいるひとたちの世界”を、遠くから見る自分」のような距離感を感じていました。
「それでも切り捨てられず惹きつけられたのは、どこか自分の身体を嫌いでいることに疲れきっていた部分があったのだと思います」
無意識に誰かを傷つけたり、傷つけられたりしないために、一人一人ができることは、何でしょうか。haraさんに聞きました。
「目の前の人がどういった好みで、どんな性格なのか、ということは、その人に似たキャラクターをたくさん知っていたところで、その人と直接コミュニケーションを取らなければ絶対にわからないことです」
「相手の知らない部分を、こっちのイメージで勝手に補わないように心がけることが大事なのかな」とharaさんは続けました。
これは、相手との付き合い方だけでなく、自分自身に対しても大切なことだといいます。
「自分の意思を無視してイメージで塗り固めないこと。難しいことではあるんですが、頭の片隅でそう意識するだけでもきっと違うはずです」