今年6月から東京都内で上演されるブロードウェイミュージカル「ピピン」に関する、こんなツイートが話題になっています。
このツイートをしたのはchiemiさん。
【優友の皆さん】 いつもありがとう。 皆さんに聞いて欲しいこと、知って欲しいことがあります。 批判覚悟で勇気を出して投稿してみます。 優友でないフォロワーさんもお時間ありましたら読んでいただければ幸いです。
chiemiさんは身体に重い障がいがあり、身体障害者手帳を持っています。
移動は車椅子。介助者も必要です。俳優・城田優さんのファンで、機会をつくっては観劇に出かけたりしています。
多くの演劇会場では、車椅子の人のための席が設けられています。しかし問題は、事前に車椅子スペースの場所が分からないことや、介助者の分もチケットを求められること。
chiemiさんは、そんな不便さにTwitterで声を上げました。すると、2万件以上のリツイートやいいねが集まりました。
そして、城田優さんが立ち上がりました。
＊拡散希望＊ ミュージカル「ピピン」に関しては、全会場にて”座席に座らない介助者の方に限り”チケットが無くても、一時入場できることになりました！ 様々なケースに備え、現場では臨機応変に対応し、随時、問題を解決していければと思います。皆様、一人一人の思いやりに、心から感謝します。 https://t.co/AkZjAOsVks
障がいのある方も快適に観劇できるよう、働きかけたそうです。
重ねて、迅速に対応して下さったスタッフの皆様にも、心から感謝しています。ありがとうございます。 また、この件に限らず、1人でも多くのお客様に、快適に観劇していただけるよう、これからもスタッフ、俳優一同、出来ることをしていきます。 今後とも、どうぞ、よろしくお願い致します。 https://t.co/Vnhk3g2tDP
公演の運営サイドからのコメントも
残念ながら、公演ごとに主催者、会場などが違うので、他の作品などに関してはそれぞれの判断となりますが、今回「ピピン」に関しては、下記の通りとなりました。 お客様によって、それぞれ抱えていらっしゃる状況は違うと思いますので、その都度、内容に応じて、対応していきたいと思います。 https://t.co/CbIwq44huN
BuzzFeed Newsの取材にchiemiさんはこう答えます。
ーーなぜ、このようなツイートをされたのですか？
この不便な状況をまず知ってもらいたい、私だけでなく観劇時に不便を感じている人達の為に少しでも状況が良くなればと思いました。
観劇に行くことすら難しい人々が多い中、行かせていただける幸せな立場として自分自身の為だけでなく困っている人の為に何かできないかと思いました。
城田さんの舞台を「世界一人に優しい舞台にしたい」と呼ばれるようにしたい、彼の発信するLOVE&PEACEの世界を私も作りたいと思いました。
ーー文中の「優友の会」とはなんですか？。
城田さんを通じてSNSなどで交流している友達のことです。「ファンクラブ」のような特定の「会」ではなく、固定のメンバーでもありません。
ーー介助者のチケットがなくても入れるようになった今回の対応を、どのように評価なさいますか。
本当にありがたいと思います。城田さんはもちろん、関係各社の方々の迅速な対応でこのような結果となりました。
これから現場で対応にあたられる方にはご負担をお願いすることになりますが、ひとりでも多くの方が観劇できるようになれば嬉しいです。
時代を作っているエンタメ業界が一方では遅れている実態を目の当たりにし、まだまだ課題が多いのが実情ですが、これを第一歩としてすべての人に優しいエンタメ業界になることを期待しております。
ーー最後に伝えたいことはありますか。
私は今回皆が少しずつ譲り合い、思いやりをもって行動していけば、世の中が変わると思いました。
「差別だ」と叫ぶのではなく、不便は不便だと知ってもらうこと、働きかけることが大切だと思いました。たくさんの応援コメントをいただき、感謝しています。
ブロードウェイミュージカルPIPPINの詳細は？
6月10日より東京・名古屋・大阪・静岡で順次、上演されます。