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転勤族で学校に馴染めない。そんな彼女を変えたきっかけは「りぼん」でした。

漫画の登場人物たちの声援が聞こえてくる……。

かっぱ子さん(@kappacooooo)がTwitterに「女の子とりぼん」と題した8枚の漫画を投稿したところ、注目が集まっています。

自身の幼少期の体験をもとに描かれた漫画は、1千回以上リツイートされ、6千回を超える「いいね」が集まりました。

リプライ欄には「ドンピシャ世代です。漫画って素晴らしい」「あのころの気持ち思い出しました」「すごい好きです!うるっとしちゃいました!」など、漫画雑誌『りぼん』(集英社)を当時読んでいた人からのコメントが、多く寄せられています。

物語は、女の子が帰宅するシーンから始まりますーー。

転勤族の家庭に生まれ育ったかっぱ子さんは、人見知りで友達と楽しく話せず、自分の気持ちを素直に言えなくて、家に帰ってはめそめそ泣いている子どもだったといいます。

そんな日々のなか、小学校から帰宅すると、お母さんが『りぼん』を買っておいてくれていました。

雑誌に載る漫画の主人公たちは、明るくて真っ直ぐな性格の子ばかりでした。

翌日の登校中、クラスメイトの女の子たちが、りぼんに関する話をしているところに出くわします。

話すべきか、スルーすべきか……。脳内会議が始まりました。

自分の分身たちによる多数決で決まったのは、話しかけるのをやめておくという選択でした……。

ところが……。異なる声が聞こえてきました。

「反対反対、は〜んたい!」「私も!」「あたしもっ!」

そう、りぼんの登場人物たちが背中を押してくれたのです。

その結果、クラスメイトの子たちに話しかけることができました。

BuzzFeedは投稿者のかっぱ子さんに話を聞きました。

「今までの適当なあらすじ」 ネタバレあり。初めましての人用にモーメントの最初に入れますー。 #漫画が読めるハッシュタグ #エッセイ漫画 #コルクラボマンガ専科

かっぱ子さんのTwitterより / Via Twitter: @kappacooooo

かっぱ子さんは、Twitterにゆるブラック企業漫画と題した「220人の会社に5年居て160人辞めた話」を投稿中です。

今回の漫画は、実話をギュッと凝縮して描いたのだそうです。

「自分が漫画を読み続けている人生の中で、一番思い出深い時間を切り取ってみました」

「悲しい時も『りぼん』を読んでいる時間は漫画に没頭できて嫌なことも忘れられました。全ての主人公がキラキラして見えたので『こうなりたいなぁ…』と並々ならぬ、憧れがありました……」

りぼんが大好きになった理由

【社会人3年目】220人の会社に5年居て160人辞めた話 205「当時の心境」 嫌いとかではない。 #漫画が読めるハッシュタグ #エッセイ漫画 #コルクラボマンガ専科

かっぱ子さんのTwitterより / Via Twitter: @kappacooooo

同じようなジャンルの月間漫画雑誌といえば、『ちゃお』や『なかよし』が挙げられます。

そのなかでも、特に『りぼん』を愛読し続けていたのは、どんな理由があったのでしょうか。

尋ねてみると「む、難しいですね。考えたことがなかったです」と前置きしつつ、答えてくれました。

「単純に絵や話が好きな漫画が多かったからです。あくまで今思うと……かつ個人的なイメージなのですが、『なかよし』や『ちゃお』は登場人物や世界観がハラハラ、ドキドキするインパクトがあってキャッチーで、明確に女の子をターゲットにしている印象です」

「その一方で『りぼん』は、割と普通の設定の女の子が多くて、悩んだり頑張ったりしている描写が丁寧で、作者の伝えたいことが明確でした。だからこそ、引き込まれる作品が多かったんだと思います。実際、大人になって当時の作品を読んでも思い出補正なしに、面白いです」

「体の一部に染み込んでいる」

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かっぱ子さんのTwitterより / Via Twitter: @kappacooooo

実は小学生のとき、りぼん1冊を1カ月かけて熟読していたそう。

「体の一部に染み込んでいる」と話すのは、こんな理由がありました。

「発売日には読切と付録。2日目は、りぼんの漫画投稿コーナーの結果ページ、3日目は来月の付録……最後の方は漫画を1日2ページずつとか。そうやって自分を律しながら、狂ったように読み込んでいたので、当時の登場人物の名前やストーリーを今でもほぼ覚えているんです」

「(未だに)何気ないタイミングに、登場人物の仕草やワンシーンや雑学を思い出すことはありますね」

コロナ禍以前は、同世代の人とのお酒の席で思い出話になり、いつの間にか、りぼんの感想を語り合うことも多かったといいます。

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かっぱ子さんのTwitterより / Via Twitter: @kappacooooo

今もなお、親しんできた作品の登場人物たちから勇気をもらう瞬間もあるのだそうです。

「漫画の中の登場人物は、現実世界には(実際に)いないのに不思議と生きている人より身近に感じたり、共感したり、元気をもらったり……。このキャラだとどういう行動するかなって考えたりすることもあって、不思議だなと思います」

今回、作品を投稿して「漫画に描ききれないキャラクターがいたため、もっと詰め込めばよかった、と後悔があります……」と未練を語りますが、寄せられた大きな反響をこう喜びます。

「今回この漫画を描いて、コメントで『泣いちゃった』と送ってくれた人が結構いて『あぁ、懐かしい思い出というより、それぞれみんなの大切などこかに登場人物が生きているんだなぁ』と、嬉しくなりました。素敵な作品を生み出してくれた、りぼんの作家の方に感謝と『私たちは、忘れていないよー!』ということを伝えたいです」